デルヴォーは5月20日、東京・高田馬場の茶道会館で、世界各地の手仕事に焦点を当てた特別なコレクション「クラフト・ビヨンド・ボーダーズ」のプレスプレビューを行った。メゾンの新たなプロジェクトで、拠点のベルギーに受け継がれる手仕事の技と、世界の多様な文化に根差した伝統的な手仕事を融合させる試みだ。その幕開けとしてベルギーと日本の伝統を取り入れた作品が制作された。
舞台となった茶道会館は、茶道を広く普及することを目的に戦後、建立された場所。石畳と庭の先に数寄屋造りの茶室や広間が並び、日本古来の静かな空間が広がっている。その庭にバッグをキャンバスにした作品が並んだ。
ひときわ目を引いたのは、ワンハンドルバッグ「タンペート」のボディーに、葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」の一図にある赤富士の織り地を使った作品。京都の帯屋、誉田屋源兵衛に残る古い織り地で、富士山の朱赤部分には漆が塗り込まれている。現代的でエレガントなバッグと、普遍的で力強い美しさを持つ織り地が一体化し、和の空間に溶け込んだ。
ほかにも、アールを描く底面が特徴のバッグ「パン」のボディーには、滝を登る鯉(こい)を描いた縁起の良い帯が使われた。シグネチャーバッグの「ブリヨン」には、はさみや手のモチーフをパッチワーク。メゾンの物作りを表現した。

部屋ごとのプレゼンテーションも見どころの一つ。日本の帯とベルギーのタペストリーが並ぶ部屋は、東と西の伝統の違いが際立つとともに、和の空間を媒介に不思議となじんでいる。デルヴォーの物作りを伝える動画の後ろでは、香道のお点前が披露されるなど、様々な切り口で文化を融合させた。
21、22日は顧客らに披露し、茶会も開かれた。

