百貨店の25年福袋は、物価の上昇による節約志向の強まりを反映した「お得」と特別感ある体験型に二極化する。「福袋全体の約8割が食品」(松屋銀座本店)とファッション関連はコロナ禍を機に大幅に縮小した。
内容は、生活に身近な食品の詰め合わせが中心だが、体験型は例年人気が根強い。
松屋銀座本店は「銀座の『えん』でお祝い招福袋」(税込み20万2500円)を出す。歌舞伎座の二月大歌舞伎を一等席ペアで鑑賞できるほか、「銀座吉澤」の牛肉すき焼きコース、銀座の高級ホテルの宿泊、限定和菓子が入った土産のセットなど、地域と連携した。
高島屋は各店で豪華客船のクルーズ旅行(405万円)を抽選販売する。通常は別料金となる韓国での寄港地観光ツアーをセットにしたほか、出発前に船内での過ごし方やドレスコードなどについてクルーズライターの上田寿美子さんに個別相談できる特典を加えた。
そごう横浜店は花火大会をイタリア料理店を貸し切って楽しむ福袋(100万1円)や、東武百貨店池袋店は来年の干支(えと)にちなんで動物園で飼育されているヘビとのふれあいを体験できる福袋(5000円)を用意する。
そごう千葉店は能登半島地震で被災した伝統工芸の支援につなげようと、輪島塗応援福袋(箸2膳セット1万1000円、どんぶり5万5000円)を企画した。