《EC担当者を訪ねて》東京デリカ 第3商品部デジタルマーケティングディレクター 松井紀嘉さん

2022/03/23 06:26 更新


 東京デリカはバッグのセレクト業態。ECは他社モールのほか、自社ポータル型サイトがある。第3商品部デジタルマーケティングチームは自社EC戦略を担う。8人体制で、ウェブで使用する動画やスチール撮影もする。同部は自社商品の企画・生産を行い、ブランド担当者や自社の物流倉庫「サックスバーデポ」との連携も図ってきた。こうした環境や松井紀嘉さんの店頭での経験を生かしながら、OMO(オフラインとオンラインの融合)を促進している。

 ――最近の重点は。

 デジタルコンテンツを強化しています。消費者の購買動機が場所や物から人に変化していると感じ、店舗スタッフの人柄をウェブ上で伝える企画をいくつか発信しています。

 例えば、「私の鞄(かばん)シリーズ」。全国の店長が日常で使っているかばんを紹介します。記事に共感したり、興味を持ったりして店頭に足を運ぶきっかけにもしています。同様の内容で、昨年末にはユーチューブチャンネルも始めました。これは全国のスタッフ全員が対象です。

 ほかに、直近では「秘技シリーズ」も始めました。かばんの細部のこだわりや機能、使い方を写真や動画でまとめます。

 第1弾を今年2月22日に公開して好評で、早速在庫が足りなくなるほどでした。記事に使用したメインのルック画像はA1サイズのPOP(店頭広告)にしたり、自社アプリのプッシュ通知を活用したりと店舗と連動した販促も良かったです。

「秘技シリーズ」のメーンのルック画像。ビジュアルにもこだわり、雑誌の表紙のようにした

 ――スタッフスタート経由の売り上げも伸びている。

 20年11月に自社アプリをリニューアルし、同時にスタッフのスタイリング画像の投稿も始めました。徐々に認知され、今ではこれを経由した売り上げが何十倍にも伸び、比例して自社ECの売上高も伸長しています。

 この取り組みではインセンティブ(報奨)制度も設けています。評価基準が店舗売り上げとなると、店舗からECへの誘導に抵抗を覚えるスタッフもいるのですが、デジタル化が進む今、会社全体が良くなるためには全社で協力してECを伸ばす必要もある。インセンティブ制度などでモチベーションをいかに高めていくかも重要です。

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