ドラフト メンズEC「ディーコレクション」が好調

2018/09/05 06:29 更新


 福井県あわら市でメンズ向けファッションECサイト「ディーコレクション」を運営するドラフト(伊藤佑樹CEO=最高経営責任者)は、おしゃれ初心者対象、直営サイト強化に転換して以降、会員数・サイト閲覧数・収益を大幅に伸ばしている。今期(19年2月期)の売り上げは50%増の10億円になる見込みだ。

(疋田優)

 ディーコレクションは09年からトレンドを反映したオリジナルメンズウェアと仕入れ商品をネットで販売し、楽天市場などECモールを軸に売り上げを伸ばしていた。12年にレディスファッションECに進出するも、競合が激しく2年後に撤退。主力のメンズECも値引き販売、広告コストが増えて、対象客と販売手法の転換が迫られていた。

 そこで15年に対象客を「おしゃれ初心者」へ刷新し、加えて客の教育メディアとなるべく直営ECの強化へと切り替えた。コーディネート画像は上下の着こなし方のアドバイスを大幅に充実。サイトでは1商品当たりの着こなし画像を30枚以上掲載する。

 自社メディアのメルマガ、LINE、ブログも着こなしアドバイスを徹底。サイト内コンテンツの「オシャレの教科書」は月100万PVを超える。制作するのはバイヤーを軸に社員30人(半数が女性)で、全員がコーディネートのアドバイスができる力量をつけており、様々な相談にも応える。ユーチューブ動画にもいち早く着手、毎日1本は更新して好評だ。

 商品展開数を絞り込んでいるのも特徴。月間販売商品は100型と、3、4年前に比べて品番を7割も減らした。毎日1、2コーディネートを更新し、商品は3型ほど投入するが、最も売れる10商品で売り上げの半分を構成しており、年間商品回転数は16。商品はオリジナルと仕入れが5割ずつ。これにより営業利益率は13%上昇している。

 今後はさらに月間販売商品数を50型に絞り込む。自信のある商品の品質を上げつつ、よりコーディネート管理しやすくする。

 ECの会員は現在12万人で、数年前に比べて3倍に拡大した。一方、直営ECサイトはメディア機能が高いため、流入客が多く購買率は1%を切るが、会員のリピート購買率は30%を超える。

 「着こなしへの共感とファンとの関係性が当サイトの強み。来年にはライブ動画コマースにも挑戦したい」と伊藤CEO。アプリも開発し、チャットボットといった顧客とのコミュニケーションツールを充実させていく考え。

伊藤佑樹CEO
サイトのメディア化を強めた


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