アパレル業界のちょっとおかしな舞台裏⑤ EC支援者よ、現実を見よ!(Fashion Re:ducation)

2026/01/13 06:00 更新NEW!


「なぜMD・販売・ECの連動が必要なのか」、そして「その連動によってどのような効果が生まれるのか」について、販売・MD・ECそれぞれの分野で活躍するスペシャリストが実例を交えながらざっくばらんにお話ししていきます。

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EC支援する人こそ現実を見よ!
店頭とECはもっと近くなれる


ポップアップイベントや店頭とECの連動には、具体的にどんな方法があるのでしょう?ブランドとしての施策が上手く連動させられているのが重要だと前回お話していましたよね!



ポップアップイベントの場合だと、集客するための告知ページを準備したり、店頭に並べる商品を一覧で見られる商品ページをつくったりするといいですね。

告知ページは、事前に広告で集客することで新規ユーザーのショップへの誘引に活用します。展開アイテムの一覧ページは告知用にも使えますが、来店されたお客さまが購入されなかった場合、後日訪問するためのページとして使えます。

また、メールマガジンやLINEの登録を促進するために、それらページに登録の導線を設置。あとは、店頭でも購入時などに個人情報をいただくためのオペレーションの徹底も必要です。

でも、こういったアクションはあまり実行されていないのが現実。シーズン初めに撮影した手持ちのルック画像だけで集客しようして、イベント期間に突入することが多いです。ポップアップは指名検索を伸ばせる機会になるから、ただ来店してもらうだけじゃダメなんですよ!



まぁまぁ、深地くん落ち着いて。

たしかに「ポップアップやると売れるらしいぜ。みんなやってるし、うちのブランドもやろう!」というのであれば、やめたほうがいい。やるからには(経営)方針を出すことだよね。



そうなんですけど、前にも話した販売員のスタイリング投稿や、販売員によるコンテンツなんかは店に足を運ぶきっかけになりますよね。それで店に足を運んだお客さまが「これがネットで見た商品だ」ってわかるようにしておくことが大切なんですよ。あるショップでは、店頭にWebコンテンツをプリントして掲載していました。

反対に、店頭で決めきれなかったお客さまに販売員が「ここのページで買えますよ」とオンラインストアへ誘導できるといいんですけどね。



確かに!聞きながら感じたことですが、これからは販売員の接客がより重要になりそうですね。

最終的に購入する場所はお客さまが決めることですよね。購入にいたるまでに、決め手や着る場所や理由、買わなかったときの理由があるはずです。オンラインストアでは掴み取れない消費者の情報や購買心理を受け取ることが、これからの販売員の仕事になるんじゃないかなって考えました。

お店は、オンラインストアでは分からなかった情報を確認する場所としての役割を担っていく必要がありますね。それをもとに、オンラインストアを改善することもできそうです。あとMDも商品企画に活かせますよね。



店頭やECは単に売る場所だけでなっていたらだめで、そこに集まる情報やデータを収集、分析して、次の商品計画やものづくりに活かしていく。情報を循環させていくことが必要じゃないかな。

そこが、あまりにもうまくいってないって感じている業界人ってたくさんいると思うんだよね。だから、Fashion Re:ducationを始めたんだけど。

特にECとMDは販売の仕事をよく分かっていない人が多いから、販売がどんなことを考えて仕事しているのか知ってほしい。逆に、販売の人もECやMDがどんな役割を担っていて、販売の仕事がとても重要であることを感じ取ってほしいなって思います。

次回は、販売員の仕事にクローズアップ。慢性的な人手不足は業界全体で改善していかなくてはならない課題。3人はどうすれば販売員不足が解消できるか考えます。

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■登場人物


MDコース講師:佐藤正臣

数学は嫌いでも、算数はできるはず」でお馴染みのマサ佐藤。大手セレクトショップでMDを務め、現在はリテールMDアドバイザーとしてアパレルからライフスタイルブランド・スーパーマーケットなど、幅広い分野のマーチャンダイジング改善に従事。


販売コース講師:平山枝美

接客研修から顧客戦略の立案・推進、それに伴う接客方法・陳列・POP作成・マネジメントまで指導する販売コンサルタント。著書『売れる販売員が絶対言わない接客の言葉』は現在13刷達成!繊研plusで「間違いだらけの売場支援」を連載。


ECコース講師:深地雅也

ファッション・アパレルに特化したEC運用の支援に従事。得意とするのはGA4・BigQueryなどを活用したWEB解析の分野。年間計画立案からPL管理、CRM分析までECの販売計画に関わる領域を幅広くサポート。これまで80ブランド以上の運用に携わる。

■Fashion Re:ducation

ファッション業界の教育事業「Fashion Re:ducation」。販売・MD・ECそれぞれの分野で活躍するスペシャリストが講師を担当。キャリアアップを目指す方、異なる専門領域を学びたい方、今のやり方に迷いを感じている方に向けて、現場ですぐに活かせる実践的な技術と知識を学べる講座を提供しています。



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