ファッション・フロンティア・プログラム最終審査 グランプリは林ひかりさん

2025/12/16 18:00 更新NEW!


グランプリの林さん(中央)と準グランプリの滝さん(左)、エミリーさん

 社会的責任と創造性を併せ持つデザイナーの発掘・育成を目指すファッション・フロンティア・プログラム(FFP)は25年度の最終審議会と授賞式を12月13日、虎ノ門ヒルズ東京ノードで開いた。

 5年目となる今回は、国内外から多数の応募があった中から選ばれたファイナリスト8人が最終審査に臨んだ。グランプリに林ひかりさん、準グランプリには滝直さんとエミリー・ミサキ・ホンさんが選ばれた。

 林さんが制作したグランプリ作品は、「サイズ、流行、着方、他者評価など誰かが決めた服の基準への違和感を解消しないまま提示する」をテーマにした「リフレーミング」。大量生産・消費される子供Tシャツを手作業で時間をかけて解きほぐした糸を編み直し大人用ドレスにして細身の服をデジタルプリントした。

 滝さんの作品「ラップミーアップ!」は、ミシンの残糸を使用し、ウエストが4メートルまで伸びるニットパンツと上半身にパネル状のニット2枚を巻き付けたり結んだりすることで着る人が主導権を持ち、体の多様性が肯定される服を作った。

 エミリーさんは、服と一緒に捨てられそうな記憶や感情を抱え続けることができる器として、作品「レリックス」とした。祖父の遺品の服の断片を織り直し、拾い集めたユーカリの葉で染色した。ひもで縛られたシルエットで保存と消滅の緊張感を表現した。



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