米WLゴア&アソシエイツは、高い透湿防水機能と環境への負荷軽減を実現した次世代の「ゴアテックスプロ」の打ち出しを強めている。製品の長寿命化やサーキュラリティー(循環性)など環境に配慮した素材開発を進める。
ファブリクス事業のグローバル戦略を統括するアキム・レフラー氏は、「ゴアは、製品パフォーマンスと高いレベルでの環境配慮を両立する責任あるパフォーマンスを追求し、アパレルとシューズ産業の未来に貢献する」と語る。今秋冬は頂点素材の次世代ゴアテックスプロを30以上のアウトドアブランドが採用した。
次世代ゴアテックスプロは、PFAS(有機フッ素化合物)を排除したePE(延伸ポリエチレン)メンブレンを使用し、高い防水透湿機能を備える。軽量で薄く、カーボンフットプリントを従来品比で平均23%削減。「ePEメンブレンを柱に素材プラットフォームを革新」し、今後さらなる新素材開発とブランドメッセージの発信を強化する。
26年秋冬にはストレッチ性を備えたゴアテックスラミネート採用製品を発売し、27年秋冬には透湿性を高めたストレッチ素材「ウインドストッパー・ストレッチプロダクト・バイ・ゴアテックスラボズシリーズ」を発売する。

27年には繊維リサイクルの実現に向け繊維to繊維(T2T)リサイクルのポリエステル表地を採用した製品も予定。また、ミッドスウェーデン大学などと共同で「耐久性の標準評価手法」の策定も進めている。
レフラー氏は「T2Tリサイクルや評価基準の導入はアパレルやシューズ業界の廃棄量を減らす大きな一歩。過酷な環境での耐久性から日常生活の快適性まで、多様な要望に応え、産業に貢献することがゴアの存在価値」と語る。
