台湾の漢神百貨店 20年売上高5.9%増 下期から内需が押し上げ

2021/01/25 06:27 更新


 台湾・高雄市の漢神百貨店は20年売上高が前年比5.9%増の239台湾ドル(860億円)と13年連続の増収となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、上期に苦戦したが、下期に国内需要が押し上げて復調した。消費の回復が遅れている日本とは対照的に、台湾は検疫と隔離の徹底で新型コロナ感染を抑制しており、景気が回復基調にある。

 漢神百貨店は旧阪神百貨店との共同事業でスタートし、1995年に開業。2号店として08年に大型SC、漢神アリーナショッピングプラザをオープンした。高雄市内の一番店で、日本のアパレル、雑貨、食品、飲食などのブランド、ショップの扱いが多い。現在は100%台湾資本で運営する。

 20年に増収となった要因は、コロナ禍で海外旅行を自粛した富裕層らの需要を取り込んだこと。漢神百貨店はラグジュアリー部門が25%増となり、漢神アリーナショッピングプラザもラグジュアリーが22%増とけん引したほか、化粧品が6%増を確保した。巣ごもり需要を反映してリビング用品が売り上げを伸ばした。

 21年度は、漢神アリーナショッピングプラザが開業以来初の大規模改装を予定しており、ラグジュアリーフロアを含む計5フロアを順次改装する。デジタル施策では、アプリを刷新し、オンライン上での顧客の利便性や体験価値の向上に結び付ける。



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