2022シネマな旅〈ビューティー×コスメ編〉(宇佐美浩子)

2022/12/28 06:00 更新


「2022シネマな旅」と題して、筆者独自の2つのテーマで振り返る12月の「CINEMATIC JOURNEY」。いよいよ今年もフィナーレへとカウントダウンが迫る中、そのエンディングを飾るテーマは「ビューティー×コスメ」編。これまでにも度々、エンドロール関連の話題として登場してきた馴染みのある話題の一つだ。

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とりわけ近年、その活躍ぶりに目が離せないシネマ業界で活躍するヘアメイクデザイナーの一人、吉原若菜さん。彼女が担当した今秋公開の『スペンサー ダイアナの決意』では、ヒロインを演じるクリステン・スチュワートを、「どれだけダイアナの雰囲気にしていけるかに重点に置いた」というコメント付きの記事が、心に響いた。

そこで今年もギリギリ3桁ほどの作品を観賞した筆者が、最も感動した撮影秘話つき作品が現在公開中だ。おそらく、ある世代以上の方なら即座にヒロインの名が頭に浮かぶのではないかと思うのだが…


答えは『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』

女性アーティストとして史上最多の「400を超える受賞歴」を誇るギネス世界記録保持者、かつ音楽業界で数々の偉業を成し遂げた伝説の歌姫、ホイットニー。

「歌いたい曲を、自分らしく歌う」

そんな彼女が、天空へと旅立ってから早くも10年を迎えた今年。ロックバンド「クイーン」のフロントマンとして、独特な存在感で世界を魅了したフレディ・マーキュリー。今は亡き彼の生涯を描いた『ボヘミアン・ラプソディ』の脚本家、アンソニー・マクカーテンの手により誕生し、日米ほぼ同時公開となったのが本作だ。

ヒロインを演じるナオミ・アッキー(以下、ナオミ)の熱演に目も耳も、そして心も奪われるのは筆者に限ったことではないはず。なぜならほぼ全てが「THE VOICE」と評されるホイットニーによるものだが、ナオミは全身全霊で全曲を歌いあげる演技が必須だったから。

でも実は、ごく一部のシーンにおいて例外もあると知った。というワケで是非スクリーンでご確認のほど!


「ナオミの歯の隙間に義歯を入れ、目をヒューストン特有のアーモンド型にし、鼻の下半分と眉メイクで整え、30 以上ものウィッグのライブラリーを作成した…」

そんなイントロから始まる、本題のメイクに関してのメイクアップ部門の責任者ティサ・ハワードによるコメントを目にすればするほど、そのプロ意識の高さに感動した。そこで、少しばかり下記にシェアしたく。

☑ホイットニーのメイクを再現するために、1990 年代から亡くなるまで、彼女のメイクアップ・アーティストであったロクサーナ・フロイド(ティサの師匠、2020年に他界)から伝授された技術を駆使。

☑1982年のデビューから 2012年に亡くなるまでの、ホイットニーのルックの分析を作成。

☑メイクアップを通じてナオミが30 代、40 代と年を重ねていく様子を表現。さらにドラッグとの闘いによる身体的な影響も描かなければならなかった。

「私たちは真実を貫かなければなりませんでした」

その言葉に影に潜む本作へ捧げたアーティスト魂の一端を感じずにはいられない。


ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY

TOHO シネマズ ⽇⽐⾕ほか全国の映画館にて公開中!


さて、今回の旅のテーマである「ビューティー×コスメ」。この二つは決して切り離すことができないパートナーシップ的存在だから。

今年も様々な作品においてクレジットされてきた「コスメ」の ブランドロゴの数々。たとえば、当コラムでも紹介した今なおロングラン上映中の『川っぺりムコリッタ』こちらでは、「ジョンマスターオーガニック」や「アクセーヌ」ほか、数社の名がクレジットされている。

また、今年度鑑賞した小説の映画化作品の中でもほのかに香る余韻が長引く『よだかの片想い』をはじめとするシネマ、舞台、テレビなど、様々な撮影現場で活躍するメイクアップ・アーティスト御用達ブランドの一つ「カバーマーク」

通称「伝説のファンデーション」こと23色展開の「ベーシックフォーミュラ」は、1963年の発売以来、カバー力、肌に優しく、化粧直し不要といった魅力の持続性から、花嫁メイクにも愛用され続けていると聞く。


またプロならではの使用法として、単色ではなく多色のマリアージュ効果により、独自の色彩を作り上げ、無数のメイクアップを実現できる応用性の高さにも定評があるのだそう。

こうしたさまざまな作品との出会いから、多種多様な世界の旅をご一緒してきた2022年の「CINEMATIC JOURNEY」。そんな旅の途中で遭遇し、愛用する品々(下記)と共に、そろそろゴールに到着!

それではひきつづき2023年もまたシネマの旅へとナビゲートさせていただけましたら…

See you again soon!!!


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うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



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