ヴェネチアでシネマとアートなバカンスを!(宇佐美浩子)

2014/07/03 12:05 更新




2014年夏のバカンス・シーズンが到来しました。既にプランは決定済みで?

昨今、イタリア映画の日本公開が続々と予定されているということもあり、「ただいま思案中!」という方々に向け、この夏から秋にかけてシネマやアート、建築に…と、さまざまなカルチャー的イベントが目白押しの「アドリア海の女王」、ヴェネチアよりプチ・レポート。

 

まずは既にご存知の方も多々おいでかとは思いますが、67日から1123日まで、半年近くにわたり開催されている「第14回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」。

町歩きを楽しんでいると、随所で目にする旗のようなポスター。かの有名なリアルト橋にもキッチリと掲示されている(写真上)。メイン会場となる広大な公園「Giardini della Biennale」ほかで繰り広げられる各国趣向を凝らした展示の数々は、建築の専門家でなくてもワクワクするに違いない。

とりわけ企画展示会場の「Arsenale」で、「Grafting」というタイトルの下、大規模展開中の「MONDITALIA」は私的好奇心をそそる内容だ(写真下)。

過去から今日に至るまでのイタリア建築の変遷を、アートやシネマ、パフォーマンスなど幅広い視点で、独創的イタリア・デザイン文化を巡る旅のような展示ではないかなぁ~と思った次第(素人的解釈だとは思いますが・・・)。ともあれ、そんな私同様、滞在時間が長くなってしまう可能性は十分高いかもしれない?


 

なお、2014年は初の試みとして、各ナショナルパビリオンが同一のテーマ「Fundamentals(基本要素)」を設定しているのも特徴だとか。

ちなみに日本館は、「In the Real World : 現実のはなし~日本建築の倉から~」をテーマに、日本建築近代化100年の歴史が詰まった、高床式の「倉」のような構成での展示が興味深い。


 


 ところで、しばしば耳にする「ヴェネチア・ビエンナーレ」という言葉。よくよく調べたところ、「ビエンナーレ」とはイタリア語で「隔年」という意味で、芸術のオリンピックとも称されており、その歴史は100年以上に及ぶとのこと。

ちなみに、1895年の美術展を皮切りに、後に音楽祭、映画祭、演劇祭、そして前述の建築展が加わっていったのだそう。

というわけで、ヴェネチアの夏にさらなる輝きを添える映画祭が、今年は827日から96日までリド島で開催予定。果たして栄冠は誰の頭上に? 

さて、町中あちこちで行なわれているイベントを、「短いバカンス中に全制覇!」は相当無謀な計画かもしれない。そこで、滞在先のホテルで入手にした「My Biennale Guide Venice 2014」をパラパラめくっていると、「Exhibitions」というカテゴリー中に、2人の日本人アーティストの名前を発見。

1人は、日本現代美術作家かつ現代写真の巨匠、杉本博司。氏の2つの展覧会「Hiroshi Sugimoto: Glass Tea House Mondrian」と「Hiroshi SugimotoModern Times」が、各々ビエンナーレ同様、この秋まで行なわれている。


 
© Louis Vuitton


そしてもう1人はイタリアやフランスでの受賞歴もある人気漫画家、谷口ジローの「Sguardi Incrociati a Venezia: Jirô Taniguchi and Mariano Fortuny」(写真上)。

会場となる「Espace Louis Vuitton」への関心も相まって、早速、出向いてみることにした(すでに「世界数都市のEspace Louis Vuittonを訪問済み」という経験上、やはりココは外せない訳で…笑)。

展示内容は、2つの時代の2人の外国人アーティストが見つめたヴェネチアを、先日発行されたばかりの谷口ジロー作「ルイ・ヴィトントラベルブック ヴェニス」の原画と、Mariano Fortuny20世紀初頭の写真等による構成。1118日までの会期ゆえ、まだまだ間に合います!

なお、本展の復習として、ネットサーフィンしておりましたら、下記のような映像に遭遇。こちらもご参考までに!

 ■「谷口ジローが描くヴェネツィア」



 というわけで、このヴェニスの旅の思い出に1冊、Take outしました✈



© Louis Vuitton

 


うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



この記事に関連する記事