マザーズ上場のイメージ・マジック山川社長に狙いを聞く オンデマンドプリントの消費者への認知と領域拡大

2022/03/04 06:27 更新


山川誠社長

 オンデマンドプリントのイメージ・マジック(東京)は3月3日、東証マザーズに上場した。同社は95年創業。プリントから出荷までを一元管理する「ODPS」(オンデマンドプリントソリューションズ)を構築し、アパレルや雑貨の物作りをサポートしている。21年4月期の売上高は前期比1.5倍の43億円とコロナ下で急成長。今期(22年4月期)も2ケタ増収で着地する見通しだ。上場の狙いと成長戦略を山川誠社長に聞いた。

(藤川友樹)

 上場はオンデマンドプリント市場の認知を高め、人材獲得につなげる狙いです。無駄な在庫を持たず、過剰在庫や廃棄ロスを削減できるオンデマンドプリントへの注目は高まっている一方で、日本は市場規模としてはアメリカの10分の1程度です。中小アパレルや印刷企業、エンドユーザーにはまだ認知度が低く、伸び代は大きい。まずは受注・生産管理のクラウド、装置やプリンターが一体となったODPSを全国各地の印刷工場などに活用してもらい、ネットワークを構築することで、市場の拡大に注力します。すでにアパレルプリントに新規参入する印刷工場など複数の実績があります。

 上場で調達する資金は、R&D(研究開発)や人材採用に投じます。消費者ニーズにすぐ応え、企画から製造までのリードタイムを短縮するオンデマンドを追求し、縫製前の生地へのプリントのほか、プリント以外の領域にも着手します。ボンディング加工を自動化するハードウェア開発などを計画しています。昨年7月に岐阜県に開設した国内最大級のオンデマンドプリントに特化した工場はR&Dの拠点として、今年はオープン時の2倍に拡張します。一方で、実店舗でのカスタマイズサービスの需要の高まりにも対応します。当社は「ロフト」や「スリーコインズ」で商品にカスタマイズプリントできるサービスに協力しており、自社のマーケティング活動にもむすびつけていきます。

 売上高は早期に100億円、中長期的には500億円を掲げ、〝オンデマンドプリントプラットフォーマー〟として進化を目指します。ODPSは海外展開も計画しています。

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