ブランドごとの個性ある官能美やエレガンスがヨーロッパランジェリーの魅力だが、23年秋冬は、その表現にも変化の兆しが表れた。展示会を通して見えてきた傾向をリポートする。
(フリーライター・川原好恵)
服と下着のボーダーレス化は国内外ブランド共通の傾向で、23年秋冬はそれがより加速した印象だ。その傾向を代表するアイテムがボディースーツ。補整商品ではなく、あくまでファッション商品として〝見せて着る〟デザインが充実している。
仏「オーバドゥ」(輸入販売は栄進物産)は全10型の多彩なボディースーツを揃え、ルーマニア出身のデザイナーによる「I.D.サリエリ」(BBy)は、ラインストーンが付いたチュール袖で、ドレスアップにも似合うボディースーツを発表した。日本ではなかなか定着しなかったアイテムだが、著名スタイリストがブランドを立ち上げたり、下着のセレクトショップ「ムール」で人気になったりと、日本でも愛用者が着実に増えている。仏「メゾンクローズ」(アルテックス)の新作の、チュールネットの透け感を楽しむミドリフ丈のハイネックトップも、服とランジェリーの要素をミックスしたアイテムとして注目だ。