イトキン 10年ぶりに新ブランド「オーヴィル」 初めての高価格帯に挑戦

2023/11/09 20:00 更新


 イトキンは、約10年ぶりとなる新ブランド「オーヴィル」を来春、デビューさせる。同社にとっては初めてのポジショニングとなる高感度で高価格帯のブランド。百貨店や都心型ショッピングセンターへの出店を構想しており、まずは早期に10億円の売り上げを目指す。新ブランドで知名度はないが、「百貨店などの上顧客は気に入ったものであればネームを見ないで購入する」(前田和久社長)と見ており、PRに頼り過ぎずにじっくりと育てていく。

 コロナ禍の直前にブランドを立ち上げたがすぐに休止しており、それを除くと10年ぶりとなる。価格帯では「ヒロココシノ」など近い価格帯のブランドがあるが、キャリア層までも含む高感度のブランドとしては初めて。クリエイティブディレクターとして川﨑瑶子氏を迎えた。

 テーマは「リラグジュアリー」で、ラグジュアリーを再解釈した。モード過ぎず、ベーシック過ぎない、日常でも着用できる本質的な上質さを備えた約70型を企画。コレクションの25%に、社会の要請でもある環境配慮素材を採用した。ジャケットやワンピースで10万~15万円。ほとんどが国産。

新ブランド「オーヴィル」

 来春には都心で期間限定店を開き、ECも始める。常設店としては、全国の都市型有力百貨店や都心のショッピングセンターに出したい考え。当初のビジネスプランには入れていないが、条件によっては卸しも考える。

 ブランド認知のため、インフルエンサーなどを起用したソーシャルメディア活用にも着手するが、「しっかり作ったものに共感してもらうのが基本」と川﨑さん。前田社長は、「コンテンポラリーでラグジュアリーな国産ブランドはない。しっかりと育てていきたい」と話している。

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