歌手のリアーナがLVMHと組んで始めた「フェンティ」の初のポップアップストアが、ソーホーにあるセレクトショップ「ザ・ウエブスター」で始まった。期間は6月30日まで。
ザ・ウエブスターの売り場は1階から4階まであり、フェンティのポップアップストアは1階と2階を占める。4階はメンズで、3階は通常の売り場だ。3階に行くと、リアーナの世界観と共通する、ちょっとエキセントリックな空気感が漂う。著名な高級デザイナーブランドから無名のブランドまであるが、「リアーナが自分でも買いそう」と思えるような品揃えなのだ。ザ・ウエブスターの品揃えを好きなお客なら、フェンティの商品にも共感しやすいように思える。ちなみに、ザ・ウエブスターは、フロリダのサウスビーチやヒューストンなどで計6店舗を展開している。
フェンティのポップアップストアに並ぶ服は、しわになりにくいニットやジャージーで仕立てたセクシーなドレス、そしてちょっとスポーティーな、あるいは構築的なジャケットが多い。
壁には、大蛇と刃物を振り上げる裸の女性を含むおどろおどろしい感じの白黒の大きな絵がかけられている。ちょっと浮世絵を思わせる絵だ。マネキンは、それと同じ柄で覆われている。1階も2階もアンスリウムをあちこちに飾り、エッジを効かせた世界観を出している。
一番かっこいいと思ったのはサングラス(400ドル前後)。バリエーションが豊富で、いざ買うとなると目移りしそうだ。イヤリングやブレスレット、サンダルも魅力的なものがある。
リアーナは、プーマとのコラボライン「フェンティ・プーマ・バイ・リアーナ」、ランジェリーブランド「サヴェージ×フェンティ」でそれぞれランウェーショーをしたことがあり、LVMHと組んだコスメブランド「フェンティビューティー・バイ・リアーナ」のプロデュースもしている。フェンティビューティー・バイ・リアーナの昨年の売上高は、5億ユーロを上回った。
LVMHが1からブランドを立ち上げたのは、1987年のクリスチャン・ラクロワ以来という。女性が最初のデザイナーというだけでなく、有色人種の女性が率いるブランドとしても、同社傘下では初。そういう意味では、エポックメイキングなブランドなのだ。リアーナは、サヴェージ×フェンティでふくよかなモデルや年配のモデルを起用し、フェンティビューティー・バイ・リアーナではファンデーションの色を40色揃えた。このポップアップストアでもふくよかなマネキンを一部使い、多様性に力を入れている。超人気のセレブということ、フェンティビューティー・バイ・リアーナで既に実績があることに加え、多様性を重んじる時代に合致していることが、フェンティ発足につながったといえるだろう。
89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)