加賀友禅会館(石川県金沢市)は、アプリ「Link!Like!ラブライブ!」を中心に行うメディアミックスプロジェクト「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」との協業企画で、新規の来館客を増やしている。特別にデザインした友禅の図案の展示を目当てにファンが集まっている。
同館は加賀染振興協会と加賀友禅文化協会が共同で運営している。加賀友禅の展示や染め体験などの認知拡大活動を行っている。
協業企画がスタートしたのは24年4月。舞台が金沢市だったのがきっかけだ。6人の作家が物語や作中に登場する高校生アイドルグループのメンバーの性格に着想して描いた友禅の図案の展示がメイン。デザインに込めた思いを書いたコンセプトシートも併せて見せたところ、ファンの共感を呼び、SNSで拡散された。
「開始当初から大型連休まで非常ににぎわった。閑散期の5月後半も人が途切れない」(加賀友禅会館)。友禅染め体験の参加者も増えた。加賀友禅のきもの姿のメンバーのイラストを使ったキーホルダーなどのグッズも好評で、同館の販売分は即完売した。
「反響を見て、より柔軟に協業先を広げたいと感じた。加賀友禅は製品だけでなくデザインにも価値がある」。異業種に友禅の図案をグラフィックデザインとして提供する施策も進めたいという。