人気ケータリングシェフがベルリンの激戦区にコリアンレストランをオープン(宮沢香奈)

2023/09/27 06:00 更新


現在ベルリンには、私が移住してきた9年前には考えられなかったほど多くの日本食レストランが多数点在している。その中でも一番人気はラーメンであり、未だにオープンラッシュが続いているほどだ。人気なのは日本食に限ったことではない。ベトナム、韓国、台湾、中国など、アジア諸国のソウルフードを提供する専門店が増え、常に“〇〇に新しくできた△△店知ってる?”というような会話が飛び交っている。

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そんな中、友人の韓国人シェフがミッテ地区にコリアンレストラン「soopoollim」をオープンさせた。先日、関係者を招いて開催されたオープニングレセプションに招待頂いたので、ジャーナリストの友人とお邪魔させてもらった。同店が位置するのはミッテ地区でも人気のエリアで、近隣には有名な飲食店やアパレルショップが点在するストリートだ。

異国の地に自分の店を構えるだけでもすごいことなのに、オーナー自ら内装まで手掛けていることに驚いた。「soopoollim」が出来るまでの過程をインスタグラムで投稿しているので是非チェックして欲しい。

「soopoollim」店内

オーナーシェフのYurim Bjornさんは、ベルリンでも人気のケータリングサービス「eatme」を運営している敏腕女性だ。私も何度かお手伝いさせてもらったことがあるが、韓国大使館やSamurai Museumをクライアントに持ち、人気セレクトショップVoo Storeなどでもケータリング実績を持つ。常に100人単位のゲストを相手にヘッドシェフとして、忙しいスケジュールをこなしている。

オーナーシェフのYurimさん
大韓民国大使館でのケータリングの様子
https://www.instagram.com/eatme_berlin/

肉を使った料理も得意だが、菜食主義者の多いベルリンでは需要の高いヴィーガン、ベジタリアンにも精通していて、お世辞抜きでどれも本当に美味しい。また、クオリティーが高いのは味だけでなく、盛り付けのセンスや料理を並べるテーブルの装飾にもこだわりを見せており、ドイツ人顔負けのDIY精神の持ち主でもある。

「soopoollim」のオープニングレセプションでは、3種類の餃子、キムチ、ポッサム、大福、甘いおこわのヤクパクなどが振る舞われ、久しぶりのYurimの愛情のこもった料理を食べることができて心身ともに満たされた。


実際のメニューには、個人的にも大好きなビビンバがあり、豊富なドリンクメニューとともに、次回お客さんとして訪れた際に試してみたい。ランチタイムから夜は9時までの営業となっているため、“ご飯をしっかり食べに来る場所”になりそうだ。お腹を満たしてからバーに飲みに行くのも良い。

着物のような美しい装丁が施されたメニュー
古書に見る旋風葉のデザインを用いているのもステキ

ビビンバが11ユーロと他店に比べて良心的な値段設定も魅力の一つだ。コロナ禍とインフレにより、ベルリンの飲食店は一斉に値上がり、麺類や丼ものが15ユーロ(約2,400円)が当たり前の時代になってしまった。1個2ユーロまで値上がりしたアイスクリームでさえ食べるのを躊躇してしまう。

健康と節約のために可能な限り自炊はしているが、私は外で食事をしたり、お酒を飲んだりすることが大好きな人間であり、ストレス回避にもなっているため欠かせない日常なのだ。友人の日本人シェフからもかなりこだわりの居酒屋が今秋にオープンすると聞き、とても楽しみにしている。アジア人の活躍の場が増えることもとても嬉しいニュースだ。

■soopoollim
Ackerstraße 149, 10115 Berlin
Sat 12:00~21:00
Sun 11:00~18:00 Mon, Tue 12:00~21:00
https://www.instagram.com/soopoollim.berlin/

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長野県生まれ。文化服装学院ファッションビジネス科卒業。

セレクトショップのプレス、ブランドディレクターなどを経たのち、フリーランスとしてPR事業をスタートさせる。ファッションと音楽の二本を柱に独自のスタイルで実績を積みながら、ライターとしても執筆活動を開始する。ヨーロッパのフェスやローカルカルチャーの取材を行うなど海外へと活動の幅を広げ、2014年には東京からベルリンへと拠点を移す。現在、多くの媒体にて連載を持ち、ベルリンをはじめとするヨーロッパ各地の現地情報を伝えている。主な媒体に、Qetic、VOGUE、men’sFUDGE、繊研新聞、WWD Beautyなどがある。



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