東京、ベルリン、大阪の3都市を代表する気鋭のセレクトショップが『コラージュ』をテーマにしたポップアップショップ「Collage Crush」を開催するとの情報が入った。
東京はUggla、大阪はexcube、そして、ベルリンはSAMEHEADSと、どれもアヴァンギャルドでエッジーなショップが揃った。東京会場がラフォーレ原宿というのにも納得のいくテイストである。(*大阪はexcube開催され、すでに終了している)
ベルリンでもかなり奇抜でユニークなアイテムが揃っているSAMEHEADSからは、今回が日本初上陸となるAMBRA FIORENZAが参加しているが、AMBRAはアヴァンギャルドとは真逆のモードでエレガントなセレクトショップkonkでも取扱っているため、日本では一体どんな反応が出るのか興味深いところである。
さらに、今回の日本進出に向けて、ドイツの電子音楽レーベルの名門Raster-Norton最初の女性アーティストとして、ベルリンを活動拠点としているKyokaをモデルに起用している。他のブランドでもイメージモデルとして起用されている彼女は、海外で活躍する日本人女性アーティストの顔となっている。本人自身もかなりのファッション好きでオシャレである。
AMBRA FIORENZA
AMBRA FIORENZA
Photographer : Sylvia Steinhäuser/Models: Kyoka (Raster Noton) & Seiki (Cocobat)/Hair, Make up: Miyuki Oya/Styling: Juri Kobayashi
ベルリンのファッションといえば、以前よりいろんなところで伝えてきているが、全身黒のミニマルモードである。その背景にはテクノというクラブカルチャーがあり、90年代から続いている根強いシーンがある。
しかし、それとは全く正反対の飛び抜けたアヴァンギャルドも別のシーンで確立されている。まだまだインディペンデントなシーンに偏っているが、ディープなアートの世界と、日本流行りも手伝って、着物や70、80年代のヨーロッパヴィンテージ、グランジなどを取り入れ、独自のスタイルを作っているファッショニスタが多い。
ストリートスナップの代表的媒体と言える「STREET」や「FRUITS」のバックナンバーを見ているような気分になる。洗練され過ぎてしまった”今”ではない、ひと昔前の個性豊かだった時代、今のストリートではめっきり見なくなってしまった全身Vivienne WestwoodやMILK、MILK BOYといった自分のスタイルに命を賭けているようなファッションフリークを彷彿させるのだ。
パリやミラノのようなラグジュアリーもコンサバティブもない、ベルリン独自の”アヴァンギャルド”の世界をこれからも見ていきたいと思った。
「Collage Crush」
2015年6月5日(金)〜6月17日(水)
会場:ラフォーレ原宿2Fコンテナスペース
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前1-11-6
宮沢香奈 セレクトショップのプレス、ブランドのディレクションなどの経験を経て、04年よりインディペンデントなPR事業をスタートさせる。 国内外のブランドプレスとクラブイベントや大型フェス、レーベルなどの音楽PR二本を軸にフリーランスとして奮闘中。 また、フリーライターとして、ファッションや音楽、アートなどカルチャーをメインとした執筆活動を行っている。 カルチャーwebマガジンQeticにて連載コラムを執筆するほか、取材や撮影時のインタビュアー、コーディネーターも担う。 近年では、ベルリンのローカル情報やアムステルダム最大級のダンスミュージックフェスADE2013の現地取材を行うなど、海外へと活動の場を広げている。12年に初めて行ったベルリンに運命的なものを感じ、14 年6月より移住。