7月初めに38℃になったかと思えば、いきなり最高気温が18℃まで下がったりと、気温差が激し過ぎて、体調を崩してしまう人も多いベルリン。それでも一応、夏は夏。天気が良かろうが悪かろうがとにかくツーリストの多い季節がやってきたのである。
2、3ヶ月は平気でバケーションを取るイタリア人やスペイン人がごっそり国に帰っているため、街中はそれほど混雑はしていない。夏はベルリンに残っている在住者とキャリーケースを引いたツーリストの季節なのだと実感する。
夏といえばビール!ドイツといえばビール!である。日本からやって来るツーリストからよく聞かれる1つに、人気ブリュワリーの存在がある。そこだけでしか飲めない限定の生ビールが安く飲めるのだからベルリナーだって必然と通いたくなるものだ。
ベルリン一有名で人気のあるのは私の住むweddingというエリアにあるEschenbraeuなのだが、他にもいくつか人気のあるブリュワリーが存在する。
その中でも先日行ったPrinzessinnengartenは特におすすめのスポットである。ここは、広々した森林ガーデンの中にあるブリュワリーで、飲めるビールは1種類のみ。しかも、大抵のところでは基本となっているハーフサイズ(500ml)は置いておらず、スモールサイズのみ。
値段は1杯2.5ユーロ。ランチタイムにはこれまた1種類のみのランチメニューをビールと一緒にオーダーし、優雅な気分でガーデンランチを楽しめる。
しかも、ここは同じ敷地内に有機栽培の農園があり、そこで採れた野菜がランチメニューに使用されており、BIOにこだわるドイツ人からも人気があるため、平日でもとても賑わっている。
農園では、ワークショップが行われており、野菜作りやハーブ作りを学ぶことも出来る。アパートメントに広いバルコニーあれば是非とも有機栽培のガーデニングをやってみたいと思う。
平地が多く、緑豊かなベルリンならでのスポットであるが、場所はクロイツベルクのど真ん中であるMoritzplatzの駅前に位置する。都会のど真ん中でありながら、ちょっとした森のリゾート気分を味わえる貴重な場所なのだ。
ちなみに、ドイツ語で生ビールは、Vom Fass(フォン・ファス)、ハーフサイズ/ラージサイズはgroß(グロース)、スモールサイズは、klein(クライン)。
ドイツビールは瓶でも充分においしいけれど、夏のベルリンへ訪れた際は是非ブリュワリーへ足を運んで、格別なVom fassを堪能して欲しい。
宮沢香奈 セレクトショップのプレス、ブランドのディレクションなどの経験を経て、04年よりインディペンデントなPR事業をスタートさせる。 国内外のブランドプレスとクラブイベントや大型フェス、レーベルなどの音楽PR二本を軸にフリーランスとして奮闘中。 また、フリーライターとして、ファッションや音楽、アートなどカルチャーをメインとした執筆活動を行っている。 カルチャーwebマガジンQeticにて連載コラムを執筆するほか、取材や撮影時のインタビュアー、コーディネーターも担う。 近年では、ベルリンのローカル情報やアムステルダム最大級のダンスミュージックフェスADE2013の現地取材を行うなど、海外へと活動の場を広げている。12年に初めて行ったベルリンに運命的なものを感じ、14 年6月より移住。