2018年の総括をベルリンから(宮沢香奈)

2018/12/27 17:00 更新


2018年の始まりは一体どんなだったのだろうか?じっくり時間をかけて思い起こさないと思い出せないぐらい今年は本当に激動の年だったように思える。

毎年同じようなことを言っている気がするけれど、自分の身に起こる出来事が良いことも悪いことも強烈さを増しているように感じてならない。

前回までのレポートはこちらから


今年はとにかく、いろんな国のいろんな都市を訪れた。そして、身近な人たちの間ではすでに有名な話であるが、旅や出張の度に大小に関わらず、決まって何かしらのトラブルが起きる。軽度の冬季鬱のまま訪れた1月末のメキシコでは、ロスバゲで4日間も荷物が届かなかったことをはじめ、他にも数え切れないほどいろいろなことがあった。続いて、1月末に取材で訪れたミュンヘンでは、不可抗力によって取材を拒否されるという人生初の事態に見舞われた。


メキシコ・トゥルム


他にも、10月末に友人の結婚式で訪れたミラノは、異常気象による連日雨に見舞われ、帰りの便は大幅に遅れた。ベルリンに着いたのはすでに深夜で疲労困憊となったけれど、その時ヴェネチアでは大洪水による災害が起きていたのだ。実はミラノ後にイタリア周遊を考えており、ヴェネチアも候補地の一つだった。結局ミラノの前にジェノヴァへ行ったため、ヴェネチアには行かなかったけれど、もし行っていたら大洪水被害に遭っていたのだ。不幸中の幸いとはこのことを言うのだろうか。


イタリア・ミラノ中央駅


イタリア・ジェノヴァ


旅でのトラブルは今年に限ったことではないし、もっと強烈な経験もある。それでもどこかへ行くのをやめないのはトラブルが起きたことなど気にも留めなくなるほど、素晴らしい出会いやインスピレーションがあるからである。滞在中はどん底の気分を味わうこともあるけれど、その後には決まって良いことが起こり、その時の出会いや体験、インスピレーションから仕事に繋がったり、人との信頼関係を結べたり、人生観を変える経験になったりする。


オランダ・アムステルダム


アントワープ「ドリス・ヴァン・ノッテン」本店


だから、旅はやめられない。幸いにもケガや病気、事故や事件に遭ったことはないし、治安があまり良くないと言われている場所でのスリやパスポートの紛失などには十分気を付けている。もちろん、たとえ小さなことでもトラブルなどない方が良いけれど、それを超える素晴らしい出来事がある限り、私は旅することをやめないだろう。


下記の記事と共に今年一年で訪れた都市を振り返りたいと思う。


美しいミュンヘンvsアングラなベルリン

365日開催、ブリュッセルの蚤の市

ストリートアートが集結したミュージアム

ブリュッセルの素敵なヴィンテージショップ

ミラノ随一の骨董市"ナヴィリオ"を散策


これ以外にも、4月末にアントワープ、アムステルダム、デン・ハーグ、12月にポツダム、フランクフルトにも訪れている。もちろん、4年半も住んでいる生活拠点であるベルリンが一番思い出深い。特に、アーティストインタビューやファッションウィークのショーやデザイナー、ブランド取材、新たな媒体での執筆など、緊張と共に本当に良い経験をさせてもらった。飽きっぽい性格ながら音楽とファッションだけは一生飽きることがないという自信がある。来年もまたここベルリンを拠点に、いろんな国のいろんな場所を訪れて、その地に根付くファッション、音楽、アートといったローカルカルチャーを追っていきたい。


今年出会った全ての人に感謝の気持ちを込めて、2018年の総括をお届けする。




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長野県生まれ。文化服装学院ファッションビジネス科卒業。

セレクトショップのプレス、ブランドディレクターなどを経たのち、フリーランスとしてPR事業をスタートさせる。ファッションと音楽の二本を柱に独自のスタイルで実績を積みながら、ライターとしても執筆活動を開始する。ヨーロッパのフェスやローカルカルチャーの取材を行うなど海外へと活動の幅を広げ、2014年には東京からベルリンへと拠点を移す。現在、多くの媒体にて連載を持ち、ベルリンをはじめとするヨーロッパ各地の現地情報を伝えている。主な媒体に、Qetic、VOGUE、men’sFUDGE、繊研新聞、WWD Beautyなどがある。



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