コメ兵、OMO推進で上期増収 買い取り専門店の出店強化

2021/12/21 06:26 更新


石原社長

 ブランド品買い取り・販売のコメ兵(名古屋市、石原卓児社長)の今上期(21年4~9月)は売り上げ、客数ともに好調だ。コロナ下でLINE接客やECの機能向上などOMO(オンラインとオフラインの融合)施策を進め、結果に結びついている。買い取り専門店の出店拡大、買い取りイベント「KAITORI GO」の開催などで買い取りも堅調。下期もこの流れを継続していく。

 OMOは昨年の新型コロナウイルス感染拡大により、当初2~3年の期間で計画していたものを前倒しし、一気に加速させた。その代表的な取り組みがLINE接客。スタッフにスマートフォンを支給し、LINEにより自由に顧客とコミュニケーションを取れるようにした。客の嗜好(しこう)を把握している現場のスタッフが客に商品の入荷情報などを連絡することで店舗での滞在時間を必要最小限にでき、感染リスク軽減にもつながる。またスタッフと顧客の関係性も深まり、それが来店動機にもなる。スマホは全国のスタッフ237人に支給され、1人当たり10人、多くて100人の顧客に対応している。

 自社ECは「見やすさ」「見つけやすさ」「商品を引き立てる」デザインを採用。店頭での取り寄せやコンタクトセンターの機能拡大などサービスを充実した。上期は自社ECとお取り寄せの売り上げが拡大し、EC関与売上高は46.1%(前年同期は41%)と成長。アウ―ジャパン(東京)の完全自動マーケティングプラットフォーム「ヌヌニ」を導入するなど機能性に磨きをかけ、関与率向上を目指す。

 力を入れている買い取り専門店の出店は上期で14店。出店前にはテストマーケティングとしてKAITORI GOを実施するなどニーズを確かめ、戦略的に進めた。新規出店により個人買い取りは好調。通期では30店の出店を計画する。消費者の生活商圏への出店を中心に計画し、リユースをライフスタイルとして定着させていく。

 KAITORI GOは担当スタッフを増員し、昨年の80カ所を上回るペースで実施している。出店拡大と買い取りイベントの積極開催でさらに個人買い取りの強化を図る。

 AI(人工知能)真贋(しんがん)の設置も進んでおり、10月末時点で買い取り専門店47店にテスト導入が完了した。今期中に全店へ導入する計画だ。

関連キーワードデジタルニュース



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事