フランスを拠点に活動する韓国人デザイナー、チョーヨ・チュウさんが手掛けるレディスブランド「レモンプレット」は、日本市場で売り上げを伸ばしている。フェイクファーを使ったアイテムが人気で、コロナ禍に百貨店の期間限定店で成長、21年度の国内売上高は前年の2.1倍、22年度は1.9倍となった。22年秋には東京・北青山に初の路面店を出店し、新規客獲得や認知度向上を目指す。
(相神優波)
ファーを身近に
チョーヨ・チュウさんは元々、自身の別のブランドでリアルファーを使った高単価なアイテムを作っていたが「もっと身近に楽しんでほしい」という思いから、日常に使いやすいカジュアルなアイテムが中心のレモンプレットを立ち上げた。現在は日本とフランス、韓国で販売している。
ブランドスタートから日本で販売していたが、コロナ禍に力を入れた期間限定店でさらに成長した。22~23年秋冬物では、JR名古屋高島屋で2週間で約1200万円、新宿伊勢丹本店で1週間で約600万円を売り上げた。元々同ブランドを知っていたファッション業界人やインフルエンサーの着用がSNSで拡散され、客層が広がったと分析している。現在は20~40代の女性のファンが多い。
メーカーと共同
リアルファーを扱っていた経験を生かして、本物に近い肌触りのものをメーカーと開発、ブランド専用のフェイクファーを作った。ピンクなどの遊び心のある色使いが特徴だ。ロングジレやポンチョ、ミドル丈のフード付きジャケット、フェイクファートートバッグが特に人気で売れている。服の平均価格は3万~10万円、トートバッグは2万円前後。子供服も企画し、親子で着られるリンクコーディネートも提案している。
22年秋にオープンした路面店は販売だけでなく、顧客とのコミュニケーションの場として、インフルエンサーを招いたイベントを開催したり、コレクションのフルラインナップを見せている。インバウンド(訪問外国人)の獲得も狙う。今後はデザイナーが活動しているフランスの文化やコミュニティーについて発信するイベントを、直営店で行いたいと考えている。