セルロース繊維大手のレンチングは、スイスの高分子化学メーカーのオーシャンセーフと新しい糸を共同開発した。第1弾は、レンチングの「テンセルリヨセルA100」とオーシャンセーフの海洋生分解性ポリエステル「ナネア」を複合した糸。これを用いたスポーツウェアのカプセルコレクションを欧米の見本市に出展する。
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テンセルリヨセルA100は、FSC(森林管理協議会)とPEFC(森林認証)の認証を得た木材由来で、一般的なリヨセルと比べて「炭素排出量および水消費量を50%以上削減する」(同社)という。
リヨセルの弱点とされるフィブリルがしにくく、ポリウレタン不使用で伸長率が20%以上、調湿、細菌抑制という特徴もある。ナネアは「99日で93%超の海洋生分解性」が特徴で、環境配慮や安全性についてクレイドル・トゥ・クレイドルのゴールド認証を取得している。柔らかいタッチで、吸水速乾性、耐久性も高い。
テンセルリヨセルA100とナネアを複合した糸で作ったカプセルコレクションは、ヨガウェアやTシャツ、フリースジャケットなどをラインナップ。10月29、30日には独ミュンヘンの見本市「パフォーマンスデイズ」に出展した。
11月11~13日には、米ポートランドで開催予定の見本市「ファンクショナルファブリックフェア」に出す。

