OEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)主力のレオンインターナショナル(東京、林真吾社長)は、AI(人工知能)モデルを使ったビジュアル制作サービスを強化する。ファッションに特化した自社のクリエイターの技術を生かし、低価格・短納期で提供する。
同社は、3D着装シミュレーションシステム「クロ」によるサンプルの作成を得意とするなど、デジタル分野に強い。「15年ごろから服の3Dサンプルを強化している。社内のクリエイターは国内トップクラス」(林社長)と話す。
これまでOEM・ODMの付帯サービスで、3Dサンプルを提供してきた。パターンから企画しているため、よりリアルに作ることができる。服の細かいしわや落ち感なども、ファッションデザイナーなどを兼任するクリエイターが本物に近づけて作り込んでいる。
これにAIモデルを使ったビジュアル制作も加える。クロで作った3DサンプルにAI生成した顔を合成する。ブランドイメージに合った背景もAIで作ることができる。納期も短く、ルックブック1冊分のビジュアルをすぐに制作できるという。
3DサンプルやAIモデルは、普及が進んでおらず、高額になりやすい。ただ、同社はほとんどの作業を内製化しているため、相場の50分の1程度の価格で提供するという。「商品数が多く、サイクルが早いアパレルでは、低価格でなければ導入が進まない」と話す。
将来的には、メタバース(インターネット上の仮想空間)との連動も視野に入れる。「バーチャルの展示会や店舗のプラットフォームが整備された時、素早く参入できるよう準備を進めたい」という。