ユニセックスブランドの「リベーレ」はハイエンドなストリートブランドとして、10代後半から20代前半を中心としたファッションフリークを狙う。もともとSNS発のメンズブランドとして16年にスタート。19年春夏からアパレルブランドを企画・製造・販売するハブアナイス(大阪市)が商標権を取得し、ユニセックスブランドとしてリブランディングした。インスタグラムなどSNSを活用しながらコアなファンを増やし、ファンと一緒にブランドを成長させる。
(関麻生衣)
今春夏のリブランディングと同時にディレクターに就いたのは、デザイナー経験があり、現在はファッションブランドのプロモーション活動をする香川みなさん。生産や物流は韓国を拠点にするデザインチーム、マベリック・クリエイティブが担う。
既存客も新規客も
服や雑貨はリフレクターで装飾したり、異素材を切り替えたりしてストリートの要素を落とし込む。メタルパーツにはロゴを彫り、細部までオリジナリティーを追求している。英語の筆記体の旧ロゴとゴシック体の新ロゴを使い、既存客も維持しながら新規客にも訴求する。
20年春夏のテーマはLibeRe ’s REMEDY(療法)。「リベーレの服を着て気分が明るくなれば」との思いを込めた。REMEDYから連想して、病院をテーマにしたコレクションを揃える。ドクターコートを着想源にしたアウター、手のレントゲン写真のようなプリントを配したカットソートップなど。今秋冬物で好評だったインディゴと白の生地を切り替えたデニムボトムも継続し、新たにショート丈を作った。
アイテム広げ日常へ
「リベーレを消費者の日常を形成する一つのコンテンツとして成長させたい」(香川さん)と考え、服だけでなく、帽子や袋物、靴下、タオルとシーズンを追うごとにアイテムを拡充。日常の様々なシーンで使ってもらうのが狙いだ。
成長戦略として、ファンとの距離の近さやコミュニケーションを重視している。インスタグラムを中心としたSNSも積極的に活用し、ファンのニーズや声を吸い上げる。
ファンと直接触れ合う場として、期間限定店も開いている。出店ペースは1シーズンに2回ずつが目標。今年は5月に大阪、6月にラフォーレ原宿で開催して好評だった。11月下旬から12月上旬には福岡でも予定している。
今夏に出した盛夏向けのコレクションでは、ヤング層から人気がある女優の玉城ティナさんを広告モデルに起用。まだメンズ要素が強かった服を可愛く着こなし、あえてメンズライクな服を着ることに抵抗のあるマス層の女性にも訴求できた。1割だった女性ファンは、この広告を出した後には3割に増えたという。
今後はECや期間限定店での販売を継続しながら、20年春夏向けからセレクトショップへの卸販売も広げていく。