メード・イン・ジャパンの評価は?

2015/03/02 06:03 更新


《知・トレンド お答えします》欧州見本市でも注目高まる

 最近、「メード・イン・ジャパン」の打ち出しが目立ってきました。物作りの関係者は、国内で消費者の認知を高めたいと同時に、円安基調を追い風として輸出への期待を高めています。では、実際の海外での評価はどうなのでしょう?2月に開かれたばかりの欧州見本市を取材した記者がお答えします。

■素材は高品質、革新性に魅力

MU16年春夏には34社・団体が出展した
MU16年春夏には34社・団体が出展した

  日本のテキスタイルは、多くのラグジュアリーブランドに愛用されています。小さな機屋でも、品質の高さや繊細さなどが理解されており、注目度はさらに高まっています。

 日本の素材メーカーと海外市場をつないできた一つに、国際見本市があります。代表が、仏のプルミエール・ヴィジョン(PV)ファブリック。100カ国以上から約5万人が来場します。2月の16年春夏展は、日本から過去最多の44社が出展、その多くが前年を上回る手応えをつかんでいます。

 日本素材の魅力について、「マイクロファイバーやスポーツウエアに象徴される革新性、デニム加工などに見られるクラフトマンシップ。さらにそれを複合する技術を持っていること」と話してくれたのは、伊のミラノウニカ(MU)のシルヴィオ・アルビーニ会長。こうした高い評価から、欧州以外に出展を認めなかったMUも、昨年、日本に門戸を開いたほどです。背景には有力ブランドからの多数の要請もありました。

 ただ、課題もあります。リーマンショック以降、国内産地の生産基盤は急速に縮小しました。生産能力の減退はもちろん、素材開発の足かせになっています。強みの安定した品質や確実な納期、技術力や開発力を維持するため、対策が急がれます。



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