ビームス、アダストリア、K-ブランドオフの親子社員に聞く 職場の魅力とやりがい、夢は?

2025/07/03 13:00 更新NEW!


 親子で同じ会社に勤める社員を訪ねました。子供が親の働く姿に憧れたり、親が職場を薦めたり――きっかけは様々ですが、企業の魅力と働きやすさを感じているからこそ「わが子を働かせたい」と思えるのではないでしょうか。3組の親子に入社の経緯や職場での関係を聞きました。

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ビームス いつかは同じ店で

成田昌也さん(左)と成田好昭さん

熱意ある良い環境

成田好昭さん(親) ビームスハウス梅田

 息子がビームスで働きたいと言い出したのは高校生の頃でした。最初は本気にしていなかった。楽な仕事ではないし、入社試験を受けるときも「俺の息子とばれないように」と冗談半分で言いました。実際は面接ですぐにばれたようですが。

 私は32歳でビームスに転職し、メンズドレス一筋で働いてきました。マニュアルもありますが、店頭で先輩から販売員としての立ち居振る舞いやお客様への接し方を直接教わりました。今の若手も会社が好きで熱心に話を聞いてくれる、良い職場環境だと思います。

 息子からは仕事の相談も受けますが、説教じみないように心がけています。販売員の仕事は店頭でなければうまく伝わらないこともあります。定年までに一度同じ店舗に勤務したいです。

父のすごさを知る

成田昌也さん(子) ビームスハウスメン神戸

 物心がついた頃から父をおしゃれだと思っていました。帰宅後、疲れているはずなのに、楽しそうに靴の手入れをしていた姿を覚えています。大学の入学式用のスーツは父が店で選んでくれました。その丁寧な接客ぶりを見て、自分も同じ仕事がしたいと思いました。

 就職活動はビームス一本でした。接客は楽しいですが、メンズドレスはポケットチーフ1枚を提案するにも知識が必要で奥が深い。店で父の顧客に「10年前に薦められたネクタイを今も愛用している」と聞き、改めて父のすごさを思い知ることもあります。

 今は家で一緒に靴を手入れしたり、毎晩のように晩酌をしながら仕事の相談をしています。最近はスーツ補正の技術についてよくアドバイスを貰います。自分もいつか同じ店で親子接客をしてみたい。そして、スーツを着る楽しさをたくさんの人に伝えたいです。

アダストリア 会社に影響与える

伊井照さん(左)と伊井裕郁さん

勧めたい人柄の良さ

伊井照さん(親) 支店営業本部長

 1997年にポイント(当時)に入社し、店長やブランド長を経て、現職では主に、教育や採用といった人材関連の業務を担当しています。

 息子が入社すると聞いたときには、率直にうれしかったです。アダストリアの魅力は社員の人柄の良さ。息子にも安心して働いてもらえると思いました。

 ただ、周りに気を遣わせると思い、最初は親子だということを黙っていようと思っていたんです。

 しかし、2代で働く姿を見せられるのは、会社にとってポジティブなことだと思い、隠すのはやめました。

 息子の入社研修に、ブランド長として参加したときのことはよく覚えています。随分といじられましたが、それも良い思い出ですね。

父を超える人材に

伊井裕郁さん(子) レイジブルー名古屋パルコ店店長

 私を何不自由なく育ててくれた父を、子供の頃から尊敬していました。父のような大人になりたいと考えた時、それなら同じ会社で働けばよいと思ったんです。

 ファッション専門学校へ進学し、就職志望先はポイント一択でした。晴れて内定をもらい、ちょうどアダストリアに社名が変わった15年に入社したのですが、本当にうれしかったですね。

 入社して感じたのは父の偉大さ。父の役職の重大さが同じ会社だからこそ、よく分かります。何年で父に追いつけるのだろうかという気持ちが、モチベーションにつながっています。

 今は父を超えるような人材になるのが目標です。まずは店長からスーパーバイザーを目指していきます。

K-ブランドオフ 家族が挑戦の源

山下祥美さん(右)と山下敦子さん

年齢問わず活躍の場

山下敦子さん(親) 営業本部商品統括部金沢商品管理部

 10年に入社し、IT事業部を経て、20年からは商品管理部で宝石の商品化に関する業務をしています。

 昨年定年退職し、現在はパート社員での勤務です。定年退職にあたり社員を募集する際、娘に「この会社に入ったら」と勧めました。

 私は51歳でパート社員として入社しましたが、その後正社員登用され、商品管理部では役職もいただきました。経営層の人柄に加え、年齢・性別を問わず評価される環境だと感じたことが、入社を勧めた理由です。

 現在の業務は娘のアシスタントが中心で、家でも仕事の話をしていますね。伸びていってくれるといいなと思っています。

母から必死に学ぶ

山下祥美さん(子) 営業本部商品統括部金沢商品管理部アシスタントチーフ

 23年に、異業種から転職しました。きっかけはシングルマザーになり、母と同居を始めたことです。生活が変わり、一層頑張って働かなくてはと思っている時、母の職場の話を聞き、性別や年齢ではなく、自分の努力で評価される会社に魅力を感じました。

 入社後は宝石の仕分け・検品など、商品化業務に従事しています。未経験でしたが、母から必死に学び、今では商品の値付けや店舗振り分けなど、従来の役割を超えた業務にも名乗りを上げ、挑戦しています。流通の効率を上げ、少しでも売り上げに貢献したいです。

 母と上司の後押しで、社内イベントを企画運営する委員会にも参加しています。部署外の人との交流機会や、自信につながっています。

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