郊外立地の大型SC、モラージュ菖蒲(埼玉県久喜市、運営は双日商業開発)で開業15年を機とした改装が進んでいる。核となる大型テナントを刷新、変わる需要に対応するなどでコロナ禍からの回復を着実なものとする。
(田村光龍)
【関連記事】郊外型SC、駐車場を店舗に転換 建築費の高騰で
同施設は08年に久喜市の国道122号沿いに開業、店舗面積9万平方メートルに240店を揃える。開業当初の苦戦はあったが、規模に伴うテナントのバラエティー、車によるアクセスの利便性、積極的なイベントで集客、コロナ前の19年度には売り上げが290億円となっていた。その後、コロナ禍の影響はあったが、23年度(24年3月期)には275億円に回復しており、今回の改装でさらに押し上げることを見込んでいる。
これまでに改装を含め16店がオープンしている。国道122号に面した駐車場に「スターバックス」の2店目を導入したほか、消費動向の変化に対応して「ケユカ」を入れるなど生活雑貨を充実している。その中で2階に「ニトリ」が出店した。核となる大型テナントの一つで1、2階に入っていたホームセンターの「ナフコ」が、1層の「ナフコツーワンスタイル」に業態転換することも併せて行っている。
大型テナントはこれまでほぼ開業以来のラインナップとなっていたが、夏にスポーツ店が「スポーツデポ」に代わることも含めて、ここで切り替え「新しさを打ち出す」(池田達郎総支配人)。これにより来店頻度向上、新規顧客獲得による客数増につなげることを目指す。
このあとも来館目的になるイベントの開催、新たなテナント導入に力を注ぎ、「継続的に館のバリューアップを進める」ことにしている。