縫製自動機の松屋アールアンドディ オムロンヘルスケアがTOBで完全子会社化

2025/12/16 17:00 更新NEW!


 オムロン子会社のオムロンヘルスケア(京都府向日市)は12月15日、縫製自動機製造及び縫製受託の松屋アールアンドディ(福井県大野市、後藤秀隆社長)に対して株式公開買い付け(TOB)を行い、子会社化すると発表した。創業者の後藤社長ら過半の株主が応募契約を締結しており、成立は確実と見られる。

 買い付けは26年6月下旬開始予定。買い付け価格は1株1110円で、12月12日の終値にプレミアム約22%が上乗せされる。また新株予約権1個につき71万7600円をつける。買い付け予定数の下限は1123万300株(51.93%)で買い付け代金は204億8980万円強を予定する。

 両社は07年から資本関係があり、松屋アールアンドディはオムロンヘルスケアが販売する血圧計向けに腕帯の縫製を受託している。12月15日時点でオムロンヘルスケアは松屋アールアンドディの株式14.64%を保有する第3位株主。

 オムロンヘルスケアは今回のTOBについて、血圧計市場の価格競争激化を背景に生産性やコスト競争力向上が課題になっていること、血圧計腕帯の安定供給や新製品開発を進めるために松屋アールアンドディとの連携強化が不可欠といった点を理由に挙げ、完全子会社化して一体的な経営体制構築が最適との結論に至った。

 オムロンヘルスケアは後藤社長及び創業者一族、資産管理会社のゴトウホールディングとの間で応募契約を締結した。対象は全保有株式51.24%。また松屋アールアンドディは特別委員会を設置し、取締役会に答申書を提出。これらを踏まえ、12月15日の取締役会でTOBへの賛同と株主への応募推奨を決議した。

 松屋アールアンドディは工業用ミシン販売店が前身で、90年代に自動車部材用の縫製自動機を拡大。現在はエアバッグ、シューズ用などの縫製自動機を世界に販売するほか、ベトナム工場を基軸に血圧計腕帯、カーシートなどの受託縫製を手掛ける。20年4月に東証マザーズ(現東証グロース)上場。



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