エムクロッシング 素材・加工を自由に表現する展示会

2017/11/07 04:25 更新


 世界中の素材を閲覧できる会員制ライブラリー「マテリアルコネクション(MCX)東京」(東京・南青山)を運営するエムクロッシングは、日本の特殊な素材や加工技術をプロダクトデザイナーの発想で自由に表現した展示会「マテリアルデザインエキシビション」を12月22日まで開いている。主に電子部材や自動車用などの工業資材メーカーがデザイナーと協力し、インテリアや生活雑貨用途など新たな需要の可能性を探る。

 同展の狙いについてエムクロッシングは、「デザイナー視点で素材の可能性を見出し、新しい用途につなげることを来場者に実感してほしい」という。出展者は研磨材、研磨技術が主力のフジミインコーポレーテッド、スクリーン印刷用資材など機能メッシュのNBCメッシュテック、合板のニッタクス、東洋アルミニウム、発泡ポリエチレンの三和化工、三井化学、ドリル加工のエヌシー産業、薄板強化ガラスのAGC旭硝子。

 東洋アルミニウムの干渉色アルミニウム顔料「クロマシャイン」を活用したのは、クリエイティブユニットのスプレッド。干渉色という特性上、見る角度で色が鮮やかに変わる。織物や金属、ガラス、プラスチックなど様々な素材に加工できるが、今回は紙に加工して折り紙やギフトペーパーとして提案した。

 低温で硬くなり、温めると柔らかくなる三井化学のオレフィン系「アブソートマー」を使って、コップや花瓶などの容器を作ったのはドリルデザイン。容器の形状はシンプルだが、温めてぐにゃっと潰したり、氷水を入れて硬化させたり、視覚、触覚で楽しめるアイテムとして訴求した。

 三和化工はトラフ建築設計事務所の協力を得て、梱包(こんぽう)材などに使われるポリエチレン発泡体「サンペルカ」の端材でスツールを作った。トラフ建築設計事務所は、サンペルカの発色の良さと成形の美しさに着目。端材を複数色組み合わせて圧縮成形し、迷彩柄に仕上げた。

東洋アルミニウムの「クロマシャイン」を紙に加工


低温で硬化し、温めると柔らかくなる三井化学の「アブソートマー」(写真=長谷川健太)
三和化工のポリエチレン発泡体で作ったスツール



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