《めてみみ》ジーンズの価格

2021/02/16 06:24 更新


 価格が大きく変動した服にジーンズがある。昭和の終わりに主流だったNBの平均的な価格は5900~7900円が主流だったと記憶している。ただ、当時でも「リーバイス」の年代物の古着だと、10万円台が当たり前だった。

 平成に入るとプレミアムジーンズのブームが起こり、1本数万円という商品も多かった。だが、バブル崩壊を機に、上げ相場はここで一度終わり、手頃な価格に人気が集まった。90年代後半に台頭したユニクロはこの波を捉え、海外で大量生産して品質の安定した商品をそれまでのNBの半額くらいで売って業績を伸ばした。

 価格の相場はその後も下落し続けた。リーマンショック後の09年にはジーユーの「990円ジーンズ」がヒットして低価格競争が激化し、最後にはディスカウンターのドン・キホーテが690円ジーンズを売りだした。

 ただ、定価が1000円以下の商品は市場で定着せず、そのほとんどが姿を消した。販売量で最大手のユニクロを基準に考えれば、現在は3990円がジーンズの価格の真ん中と言えるだろう。

 一方、専業ブランドやハイブランドが作る1本数万~10万円の商品も健在で、市場に一定残るコアな服好きの需要を担っている。他の商品と同様、価格と価値のバランスが中途半場な商品が淘汰(とうた)され、二極化が進んだということか。



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