経済産業省と東京証券取引所はDX(デジタルトランスフォーメーション)に関して、優れた上場企業を「DX銘柄」として選定し、企業のDXを促進している。20年度は旭化成、セブン&アイ・ホールディングスなど28社、同銘柄に準じる「DX注目企業」にはワコールホールディングスなど20社が選ばれた。
経産省によると「企業としてのDXに関するビジョンを策定し、既存のビジネスモデルを進化させていることが選定企業の共通点」という。
肝となるのが「経営者の認識」。例えば、社内にデジタル技術に精通した人材が足りない場合、その人材をしっかり活用できるポジションに置いたり、外部から人材を招いて社内体制を整備するなど「強い認識を持って、何とかしようとする経営姿勢」がDX促進の「分かれ目」だ。
新しい生活様式が広がり、様々な場面でデジタルの重要性が高まるコロナ下、DXを経営戦略の軸に据える企業は多い。ただ、DXを単純に「デジタル化」と捉え、デジタル技術を導入すればよいと考える企業もあるようだ。
DXによって何を目指し、その実現のために最適な社内体制とビジネスモデルは何か。経営者はここを明確にし、社員に浸透させなければ、意味をなさない。詰まるところは「企業文化も変えなくてはならない」という経営者の危機意識だ。