《めてみみ》人材獲得のチャンス

2025/03/21 06:24 更新


 私立高校の学費無償化が進む大阪では公立高の人気が落ちている。先日行われた公立校入試(全日制)の平均倍率は1.02倍で、半数以上の高校が定員割れする異常事態だ。しかし、入りやすくなったという点では団塊ジュニアの記者からすると少しうらやましい。一方で中学受験比率は大阪でも首都圏でも高まっている。大学全入時代に突入し、受験戦争は過去のものかと思いきやそうではないようだ。

 厚生労働省が発表した24年の賃金調査では、昨年の賃上げ幅は、大企業は前年比5.3%増、中企業が3.8%増、小企業は1.8%増だった。こうしたデータを見ると親の「(子供には)やはり大企業に入ってほしい」との気持ちはよくわかる。

 少子化が進み産業・企業間の人材争奪戦が激しさを増す中、人材の確保はますます難しくなっている。ただ、世界を見ると様相はやや異なる。中国では大学卒業者数が過去最高だが、就職先が見つからず若者の失業率が高まっている。インドも同様の傾向。昨年末に大阪で設立した関西日印協会は、インドの優秀な人材と日本企業とを結びたいと、人材バンク立ち上げを計画する。

 様々課題はあるだろうが、海外の優秀な人材を確保できるチャンスが生まれている。いずれはそうした人材がグローバルに活躍する時が来るかもしれない。そうした種まきの機会でもある。



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