《尾州マテリアル・エキシビション27年春夏㊦》リネンにウール綿などを複合

2026/05/08 12:00 更新NEW!


時田毛織のウール・リネン混シャンブレー生地

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肌離れが良く快適

 春夏企画で尾州らしさを打ち出せる素材が麻。尾州産地はリネンを起用するケースが多いが、リネンにウールや綿、合繊を組み合わせ、複合素材に強い尾州らしさを打ち出している。

 長大は、夏を意識して麻も充実させた。麻100%や綿、ポリエステル混が中心。綾織りの麻生地には柔らかくする加工を施している。「洗濯できない」など、扱いにくいウールの代わりに提案する。カジュアルに着られる点も引き合いが強い。

 三星毛糸は、ウールにシルク、リネン、モヘヤなどを複合した素材を打ち出す。とりわけ夏に向けて、ウール100%を敬遠する人のためにリネンを複合、夏らしくカジュアルに表現できる点もポイントだ。ウールとリネンを撚り合わせた杢糸を経糸に、ウールを緯糸に使った生地は「節感などウール100%とは違うおもしろさを味わえる」と訴えている。

 ファインテキスタイルは、リネン中心の素材企画を提案している。経糸にリネンと綿杢糸の交撚糸、緯糸に綿100%使いの交織生地で強撚による生地のシャリ感も加えるなど、春夏向けらしい肌離れが良い快適な生地を提案している。

 時田毛織もウールにリネンを加えた生地を提案。ウール50%・リネン50%の糸を経糸、緯糸で使った交織織物を、二浴染色による染め分けで提案。粗野感のあるカジュアルな表情をセットアップ向けのコーディネートでも表現している。

付加価値原料を使用

 尾州ならではのウールの打ち出しも依然として健在だ。イチテキはウールのトレーサビリティー(履歴管理)を強化する。社員がオーストラリアや英スコットランドなどに直接足を運び、農場の管理体制などを確認。集める原料のエリアを決め、羊の品種やマイクロン値を指定して別注で糸を生産している。その糸を軸に生地企画するスキーム「ヴェロモット」をアピールした。トレーサビリティーの信頼性を高めながら、差別化を狙う。オーストラリア・ゴールバーンの羊毛では、スーパー120ウールで72番手と80番手の梳毛糸、18番手の紡毛糸をストック。繊維長が均一のため、120以上に見えるほどの上質感を訴えている。

トレーサビリティーを訴求するイチテキのウール

 長大は、スーパー160のウール使い先染めチェックを企画した。白やピンク、青の「かわいいキャッチーな柄」にした。さらに、Z撚りの糸で、さらっとした平織りにし、クリア仕上げで夏向けのシャツ地として推す。また、尾州ならではの意匠素材もコンスタントに打ち出している。

 絡み織りの林実業は、綿やリネンといった天然素材と化合繊の複合使いにラメ糸などで見た目にゴージャスさをプラス、薄くて軽いテキスタイルを充実させた。

 ヒラノは得意の強撚加工やトリアセテート使いを提案。先染めのストライプ生地にストレッチ性を付与。強撚糸タイプは夏らしくさらっとして着心地が良いのが特徴だ。また、洗い加工を施しビンテージ調やデニム調なども揃えた。

 みづほ興業は、綿にダメージ加工したビンテージの風合いを打ち出した。「古着トレンドでビンテージ調が好まれており、むら染めも人気」とする。時間の掛かる加工だが昨年に試作を展示し評判が良かったため、量産体制の構築を進めている。

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