《めてみみ》30年前の「ジョンロブ」

2026/05/22 06:24 更新NEW!


 ここ数年、いつもスニーカーを履いていたが、久しぶりにこの春はドレスシューズを履きたい気持ちになった。ファッションに周期があるように、自分の中にも何周目かのドレスシューズのムーブメントが訪れている。

 この春、一番履いているのは、30年前に買った「ジョンロブ」のローファー。ロペスと呼ばれるこの品番は1950年に登場したモデルで、昨年75周年を迎えた。周年を記念した限定モデルも販売されている。自分のロペスは伊フィレンツェのマウロヴォルポーニという靴専門店で買ったもの。今では廃番となってしまった赤のカーフで出来ている。

 春の日差しに映える赤のローファーをしばらく楽しんだが、つま先のレザーソールが薄くなっていたので修理に出した。グッドイヤーウェルト製法の靴は手の込んだ作りであるため価格は高い。しかし、適切なタイミングで修理をすれば、それこそ30年経っても履き続けられる。

 原材料費や職人の人件費の高騰で、ドレスシューズの価格は軒並み高騰している。為替の影響もあり、インポートで10万円を切ることはまずなくなった。30年前と比べると今では2倍以上の価格となってしまったロペス。しかし、直して使い続けることができるサステイナブルな靴でもある。何を選び、それとどういう付き合い方をしていくのか。その選択が問われている。



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