経済産業省が6月29日に発表した5月の商業販売額(速報値)は46兆3450億円(前年同月比2.4%増)で、27カ月連続で増加した。卸売業は33兆2410億円(1.1%増)で2カ月ぶりに増加、小売業は13兆1040億円(5.7%増)で15カ月連続の増加となった。この結果、小売業販売の基調判断を4カ月連続で「上昇傾向にある」とした。
卸売業は全15業種のうち、9業種がプラス。衣服・身の回り品は4.3%増で、13カ月連続で増加した。一方、繊維品は1.6%減で、2カ月連続で減少した。
小売業は9業種のうち、6業種がプラス。織物・衣服・身の回り品は3.7%減で、3カ月連続のマイナスだった。百貨店とスーパーの合計販売額は1兆7437億円(3.7%増)で、20カ月連続で増加した。衣料品は5.1%増。
百貨店は全店ベースで、15カ月連続のプラス。「引き続き、高額品と訪日外国人需要が押し上げ、消費者の外出機会の拡大で衣料品も好調」だった。
スーパーは全店ベースで、9カ月連続のプラス。主力の飲食料品が物価高も影響して3.6%増と伸び、全体を押し上げた。衣料品は全店ベースで、紳士服・洋品が0.7%減、婦人・子供服・洋品が0.5%減だったが、外出機会拡大で身の回り品が7.8%増と伸び、全体では0.5%増とした。
百貨店とスーパーの衣料品売り上げが伸びた一方、小売業全体の衣服・身の回り品がマイナスだったのは「大型店以外が全体として伸び悩んだことに加え、前年に伸ばした反動があったため」と見ている。