僕の会社は靴を売っているのですが、販売量の約4割はサンダルが占めています。いつの間にかサンダルが増えたのです。「サンダル屋」と呼ばれてもおかしくないでしょう。
日本の夏の猛暑は、サンダルの着用を加速させましたが、理由はそれだけではないようです。女性はソックスを組み合わせて、少し肌寒い時期にも、暖かな格好でサンダルを履くことがスタンダードなファッションスタイルになりました。男性はビジネスシーンにおいても、ここ数年は「グルカサンダル」が大ヒット。「スーツに履けるサンダル」として認知され、人気上昇しました。グルカサンダルはもともと「おっさん臭い」と言われたサンダルでしたが、今やトレンドの最先端です。
昭和の時代、サンダルは「だらしない」「貧乏くさい」「ヤンキー」といったネガティブイメージでした。しかし、それは大きく変わったのです。リサーチして分かったのは、サンダルのデザインはもちろん、洋服とのスタイリングが上品になったということ。ビーチサンダルも、スタイリッシュなものがたくさん発表されています。
ホテルやレストランでは、サンダルを着用しての来店不可が減っています。そして最近は、ムートンやウール、ダウンを使った冬用サンダルが相次いで登場しています。サンダルは夏だけではなくなったのです。
(GMT社長)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。