コロナ禍に大きく変わったことといえば、何を思い浮かべますか? 私はやはり対面が減ったことです。ビジネスでよく「では次回お会いしたときに…」という会話が、「ではZoom会議で」に変わりました。それはそれで距離を気にせず、互いの予定が合えばコストも掛からず打ち合わせが出来るので、忙しい人にはとても便利です。難点は同時に複数人が声を出すことができず、何となく譲り合うこと。しかも、一番の問題はその場の空気が読めないことです。
リアルな場面ではマスク越しでも相手の目や指の動きが分かります。さらにその場の緊張感とか雰囲気とかが分かります。人間の五感をフル稼働させたあとに来る第六感というほどのものではなく、いわゆる「空気感」です。「勘」とか「フィーリング」と言うのでしょうか? 科学的に証明が難しいアレです。
今月、弊社主催で行った合同展ドアーズの100回記念では、コロナ前のにぎわいの8割強まで来場が回復し、ようやく次のステップにつなげられる何かが見えました。
リアルだから分かる会場の雰囲気と人の流れ。ゲストと出展者の会話や笑い声。主催者に対する要望とクレーム。それらをトータルで考え、過去の経験と会場の空気感を加え、新たなスパイスをミックスすれば出来上がり。
17年間、毎回閉幕後すぐに半年先の会場を仮想して現実に近づけていきました。それこそが私の読みなのです。
(あるっくじゃぱん代表取締役)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。