先日、話題の映画『怪物』を見てきました。カンヌ国際映画祭で脚本賞を取られた映画ですから、どんな展開になっているのか興味津々でした。安藤サクラをはじめ、俳優陣の演技はもちろんですが、話が進んでいくうちにどんどん画面に吸い込まれていく感覚に陥りました。
昔見た『カメラを止めるな!』に近い感覚と言えば見た人は分かるでしょうか?ネタバレになるので詳しくは言えませんが、カメラワークとは違う同時刻の相手側からの見方を見せてくれる手法。つまりAがBに対して話しているB側から見たAを見せるという二次元化かな。
見方が変わると、今までの話が全く変わると言う恐ろしい事実を少しずつ見せてくる。観客はどんどん迷宮入りして、それまでの感じが違っていたことに気が付くというある意味での「恐怖」です。
例えば将棋の藤井七冠は、盤面の一駒の動きを相手の立場にもなって何万通りも先を考えられると聞きます。常に自分と相手と交代しながら読んでいく、その頭の中はたぶん宇宙。
我々ビジネスで言えば、ブランドの強みと弱みを前面に出した時に、顧客はどのように反応するのか?ライバルはどのように対策してくるのか?常に見方を変えて先を読まないといけません。ただし、その「ミカタ」の漢字を間違うと恐ろしいことになるので要注意です。
(あるっくじゃぱん代表取締役)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。