私には2人の娘がいる。彼女たちの初めての海外旅行は小学生時のケニアでのサファリである。その後もモンゴルのゴビ砂漠をラクダでキャラバン、カナダのホワイトホースで犬ぞり、今年はペルーのアマゾン源流でピラニア釣りをしてきた。
娘たちからは「初めての海外旅行といったら普通はハワイでしょ!」となじられるが、動じることなく「ハワイは友達と行けるでしょう!」と切り返す。
私の旅行に対する考え方は「今でしか行けないところ」かつ「その土地でしか経験できないこと」に尽きる。そこには、単に見聞を広めるだけでなく、その土地ごとの生活を知り、重んじることだと考えている。
我々は、小田急沿線で商業施設運営を行っているが、各館を統一するブランドは作らずに地域ごとに合わせた展開をすることを是としている。なぜなら、マチづくりを考える上で、独自性が大切だと思っているからである。どのようなマチであれ、その土地ごとに地形、気候、歴史、文化、そこで暮らす人々の生活があるからだ。それらを理解した上で、我々がどのようなお手伝いをしてそのマチの魅力を高めていくことができるのか、それがディベロッパーとしての務めであり、やりがいだと感じている。
これからも地域との共生を念頭に魅力あふれるマチづくりをしていきたい。
(小田急SCディベロップメント社長)
◇
「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。