ボクのデザイナー歴は25歳から始まるので今年で32年目。作る物は飽きもせずメンズカジュアル一辺倒。なかなかの持久力だと自分でも思う次第だ。
そんな中、最近思うのが今の自分を取り巻く環境や街並み、人、ファッション史実をボクなりの手法で記録に残したいということ。ありがたいことに周りには世界的な職人、雑誌編集一筋の知の巨人、ハイブランドを顧客に持つ生地デザイナーなどに囲まれ、日々笑いの絶えない濃密な仕事をさせて頂いております。そんな彼らの知の資産、経験値という黄金のバトンを次の世代に何としても橋渡ししたいのです。
ここで使いたいのがやはり動画なんですよね。1年越しのアイデアだったんですが、ボクの愛車ルノーキャトルにゲストをお招きしてドライブしながらインタビューする。車内にカメラを3台仕込み、1台は変わりゆく東京の車窓風景、1台は運転作法のための手元カメラ。これは使用する車がダッシュボードからシフトレバーが生えている特殊なビンテージカーなので世界中にマニアがいるんです。そしてボクとゲストの自撮りアングルカメラと。
一つの画面の中に今記録しないと風化しかねない三つのノンフィクションを封じ込めてしまうんです。十数年後、この動画シリーズを見返した時に今、この時を思い出す良いきっかけになれればと思います。開拓者たる諸先輩方の思い出話の中に未来へのヒントが隠されているかもしれません。12月上旬より。是非。
(スロウガン代表)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。