ようやくコロナ前の売り上げ水準に回復しました。一方で、インフレや人口減少が進んでいます。私たちが運営する施設が〝選ばれるSC〟になるためには、期待に応えられる価値を多面的に提供していくことがますます重要と感じています。
ルクア大阪と天王寺ミオを運営する当社が、JR西日本グループのSC11社を統括する体制に移行した19年。目指す姿として掲げたのが「リアルとデジタルでお客様とテナントをつなぐ地域一番のプラットフォーマー」です。
スマホが普及し、商品検索や〝ポイ活〟など買い物はオンラインを使うのが当り前になりました。ECやオンラインを競合とみるのではなく連携する。例えば、ECサイトで予約した服を実店舗で受け取れるようにすれば、試着というリアル体験と便利な立地という強みを生かしたOMO(オンラインとオフラインの融合)を実現できるということが頭にありました。
当時はOMOビジネスを強化したいとの思いでしたが、SDGs(持続可能な開発目標)や公共的な意識が高まるなか、今では売り上げ規模を競うだけでなく地域や社会の課題解決にも貢献できる持続的な存在になりたいとの思いも含めて「地域一番のプラットフォーマー」を目指しています。
SCを起点につながるのは、お客様とテナントはもちろん、地域住民のコミュニティーや地方活性化の役割も期待されています。鉄道と連携して西日本の都心と地方のSCをつなぐことができるのも私たちの大きな強み。グループのSCが各地域で存在感を高めることを期待しています。
(JR西日本SC開発社長)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。