元日に能登半島地震が発生しました。奥能登地方は今でも復旧が進まず、悲惨な状況です。当社も言葉に尽くせないほど甚大な被害を受けましたが、社員や取引先の皆様のご協力で1月中旬には生産再開できました。当社の早期復旧についてメディアなどで取りあげていただき、取引先から絶賛されました。
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実はその状況から立ち上がれた理由は「現場力」そのものであると思っています。発災当日の現場確認では、復旧には半年以上かかるのではとがくぜんとしました。しかし、翌日早朝には自宅が被災したにもかかわらず、ほとんどの工場長が会社に駆けつけてくれました。その後、社員も続々と集まり、工場の早期復旧に努めてくれました。こうした現場の自主的・自律的な判断や行動があったからこそ、壮絶な被害状況のなか、この難関を乗り切ることができたのです。
さて、北陸産地はウクライナ危機による資源高・米国の金融引き締めによる円安・サプライチェーンの混乱で、先行き不安もあり不透明な状況です。産地企業がこの難局を乗り超えるためには競争力の源泉である「現場力」を産地全体で高めることが大切ではないでしょうか。
この「現場力」こそ日本企業の宝であり、自発的に問題を発見して解決できる現場こそが日本企業の競争力です。小さな改善(メイクベター)の積み重ねが大きな成果やイノベーション(メイクニュー)に結びつく。だからこそ今、「現場力」を大切にしたいと思っています。
(マルオリグループ会長)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。