《私のビジネス日記帳》お困り事はありませんか マルオリグループ会長 宮本徹

2024/09/25 06:25 更新


 私は当社に入社して7年間、生産現場で働いていました。8年目に、叔父である専務から「営業に出ろ」と言われました。当時の私は完全な技術屋で、自分に営業センスがあるとは到底思えず、どうしてよいものかと途方に暮れたのを覚えています。

【関連記事】《私のビジネス日記帳》現場力 マルオリグループ会長 宮本徹

 叔父からのアドバイスは一つだけ。「お客様の現場に行き〝お困り事〟を聞いてこい」と。ただただ、解決に向けてのお手伝いをしろと…。営業の仕事とは受注を取ってくるものだと思い込んでいた私は意外に感じましたが、お客様との対話が苦手な私にもそれならできそうだと思いました。言い換えると、営業の仕事は「お客様からテーマや宿題をいただいて、それを自社の専門性や技術によって解決の提案をしていくこと」だと教わりました。それはまさしくご縁をいただくことであり、お客様との絆を作ることでした。

 その後の私は人情をもって信頼を積み重ね、自分をさらけ出してお付き合いをし、お客様とのご縁を深めていったのです。

 人間関係が砂漠化しているこのデジタル社会に危機感を覚える今日この頃。そんな今こそ、人と人が情をもって接することがいかに大切か、心を通じ合わせて深く付き合い、信じあえるお客様がいかに大切かを感じています。

(マルオリグループ会長 宮本徹)

「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。

関連キーワード私のビジネス日記帳



この記事に関連する記事