日清紡テキスタイル、東京シャツ買収

2015/03/02 05:57 更新


 日清紡テキスタイルは、シャツ専業SPA(製造小売業)で国内大手の東京シャツ(鈴木正利社長)を買収すると発表した。東京シャツグループの持ち株会社TSホールディングスを子会社化するもので、3月末に株式譲渡契約を締結する予定。5月中旬が株式取得期日となる見込み。買収額は未定としている。

 今回の買収で日清紡グループの繊維事業は素材から製品、小売までの垂直統合型となる。シャツSPAのグループ化で、新素材開発に向けたマーケティング機能の拡充を狙う。

 東京シャツは、ショッピングモールを中心に「ブリックハウス」ブランドなど全国で200店舗以上を展開しており、14年2月期の売上高は125億円。日清紡テキスタイルはこの間、シャツアパレルCHOYAの売却、清算を進めてきたが、CHOYAの件とは別件で、数年前から話は上がっていたという。

 今後の詳細な体制は未定だが、当面は両者の経営方針を維持していく。グループ間のシナジーについては「テキスタイルの開発に小売りの情報、マーケティング機能を取り込んでいくのが狙い。日清紡テキスタイルの生地を東京シャツに販売するといった、生地の販売を増やそうというのは、今すぐにという話ではない」(日清紡ホールディングス)としている。

 一方、東京シャツは「今後安定成長を続けていくためには生地の安定供給、素材開発、新業態に向けての商品開発が不可欠であり、パートナーとして日清紡テキスタイルを選択した」として、川上から川下までのシナジー発揮で更なる拡大を図る。



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