「ディーゼル」「メゾンマルジェラ」「マルニ」などを傘下に持つ国際的なファッショングループ、OTBグループ(イタリア)はゲーミング産業やNFT(非代替性トークン)などを重点分野とする新規事業部門ブレイブ・バーチャル・エクスペリエンス(BVX)を設立した。BVXは仮想世界、いわゆるメタバース向けの製品やコンテンツに特化した部門となる。
(青木規子)
同部門はグループ傘下の全ブランド、ならびにゲーミング&メタバース産業の主要な参入企業とプラットフォームをサポートする予定で、顧客との新たなつながりをつくる製品と体験の開発を目指す。「若い世代の顧客とファッション&ライフスタイルブランドの懸け橋となり、OTBの成長を加速できるプロジェクトを立ち上げながら、メタバースにおける新たなビジネスチャンスを創出すること」を目標とする。
BVXを率いるステファノ・ロッソCEO(最高経営責任者)は、OTB取締役会およびオーラ・ブロックチェーン・コンソーシアム理事会のメンバーであり、デジタル分野のライフスタイルプラットフォーム「D-CAVE」創設者でもある。今後は、BVXのCEOとして、NFTとゲーミングを重視しながら、顧客とのつながりを強化し、デジタル製品の提供の拡充を目指す。消費者と直接交流を図る新たな手法を開発する業務に集中する。
モルガン・スタンレーによる最新調査報告書によると、メタバース、ゲーミング、NFT分野は、30年までに獲得可能なラグジュアリーグッズ市場の10%を占める可能性があり、同セクターの収益を約25%押し上げる可能性がある。
レンツォ・ロッソOTBグループ会長は、「テクノロジーはファッション産業の次なるフロンティアだとかねてから考えていた。BVXを通じて、ファッション&ラグジュアリー産業の変革をリードし、現在と未来の顧客の需要を満たし、メタバースで製品と体験を届けていく」と語った。