作業服のオオツキ(兵庫県丹波市、大槻祥三社長)は、仔牛(こうし)用の防寒アパレル・グッズ「USIMO」(ウシモ)で、全国の畜産市場に出店して展示販売する「ウシモ全国キャラバン」を実施している。2月6、7日、北海道のホクレン十勝地区家畜市場に出店した。
(小川敬)
ウシモは作業着を納品している畜産農家からの要望を受け、19年に同社が独自に開発・販売するプロジェクトを立ち上げた。開発のきっかけは、納入先の畜産農家から「人間だけでなく、仔牛を寒さから守る服」を探して欲しいと要望されたこと。さっそく電熱線入りネックウォーマーを開発した。
大槻社長は「人間用の商品知識はあるものの、仔牛の知識はなく、畜産用防寒着のノウハウがゼロの状態からスタートした。北海道から九州まで畜産農家の現場に赴いて声を聞き、たくさんの方々の指導を受けながら試作・テストを繰り返して製品化した」。
これまで、電熱線入りネックウォーマー、マフラー、点滴保温器、防寒コート、夏のネッククーラーなどを開発してきた。十勝市場では、仔牛専用防寒コート「モーっとほっと」の最新モデルを展示販売した。従来の特殊三層素材と腹巻きパーツで体感温度を3度高めることができる、寒冷地に適した防寒コート。コート自体を着脱させる手間なく体温調節ができる換気シャッター機能を付け、暖冬傾向にも対応できる温度調節ができるように改良した。
同社は1948年に創業、62年に作業服店として設立以来、作業服を中心としたユニフォーム、手袋、安全靴などの作業用品や履物全般を扱う。現在は兵庫県・京都府で合計16の直営店を運営している。北海道から沖縄まで全国の畜産市場に出店するキャラバンを開催し、多くの畜産農家で需要を開拓。出店実績は淡路(兵庫)や岐阜、長崎、鳥取、金沢、岡山、熊本、鹿児島など。今後も仔牛の健康管理に役立つ商品を開発し、全国キャラバンを続ける考えだ。