オンデーズ田中会長「休日も増え、稼げる会社に」 店舗運営の効率化も着々

2024/04/25 06:28 更新


新資格制度を発表する田中会長

 眼鏡チェーン専門店、オンデーズの田中修治代表取締役会長は、都内で開催した定例の社内イベントで、過日発表したトップ交代の背景や自身の役割について語った。自身の今後の役割として、グループ全体のビジョン策定や「稼げて、休める」職場作り、赤字店舗の救済の三つを掲げた。

 40歳の海山丈司取締役COO(最高執行責任者)を代表取締役社長に引き上げ、代表権を持つツートップで経営スピードを上げるのが今回の人事の理由。「自分が若く元気なうちに後継者を作るのも仕事」と話した。

 「今日から休日も増え、稼げる会社になります!」、魅力的な職場作りの説明のくだりはひときわ沸いた。休日数は108日から110日に即日改定し、3年以内に118日にまで増やす。「これでユニクロやニトリと同水準になる」。休日増は社員アンケートでも要望が強かったという。

 また、販売員の給与が最大で月5万円増える新資格制度も発表。検定及び接客で特級から3級まで用意し、ともに特級の場合は年間60万円増える計算だ。役職に対しても増額する。店長で409万円から520万円、エリアマネージャー・部長で936万円から1200万円など、3年後の改定を見据える。

 待遇改善に関しては、「一律アップはやらない。努力や成長に応じた給与体系が基本」と加えた。売り上げ成長と店舗運営の効率化で、従業員の待遇改善コストをまかなう考えだ。かねてから小売業の生産性の低さを指摘しており、AI(人工知能)を取り入れた問診システムなども既に一部店舗に導入している。

 さらに、赤字店舗を今年中にゼロにするため会長直轄のサルベージ(救援)チームを発足、5月以降は自ら現場に入って立て直しに力を入れる。

 24年3月期のグループ全体の売り上げは405億円(556店)。前期は350億円(514店)だった。16年前に会社を譲り受けた時の年商は20億円。当時の20倍になったが、「400億円は通過点に過ぎない」と話し、さらなる高みを目指す。

(永松浩介)



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