カリフォルニア、ニューヨークといった米国内の大市場での規制は事実上、米国全体の規制として機能する。アパレルメーカーがこれら規制州向けの限定商品を企画するのは現実的ではなく、PFAS(有機フッ素化合物)不使用への対応は不可避だ。
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EUの方針9月に
欧州でも規制が強化される方針だ。EU(欧州連合)の化学物質の扱いを決めるREACH規制の対象にPFASが挙がっている。ドイツや北欧諸国が昨年提出した原案は全てのPFASを禁止対象とし、18カ月の移行期間に加え繊維製品の場合、個人用保護具や消防服は12年、撥水(はっすい)撥油性が必要な高性能フィルターは5年の猶予を設けるとした。
管轄する欧州化学品庁が昨年9月まで規制案へのパブリックコメントを募集したところ5600件以上のコメントが集まり、関心の高さがうかがえた。国別では提案国のスウェーデン、ドイツが1000件以上で、次いで日本が1000件近くと多数が参加した。