「プラステ」 着用シーン広げ客層拡大へ 中間価格の高品質カジュアルを提供

2025/10/23 06:28 更新NEW!


俳優の桐谷美玲さんを起用したウェブCMも制作した

 ファーストリテイリンググループの「プラステ」は「きちんとしていたいときの毎日服」をコンセプトに着用シーンを広げ、客層を拡大する。デザイン性を高め、ファストリのサプライチェーンを生かし、ユニクロの2倍程度の価格で買える高品質カジュアルを提供するブランドとして市場での定着を目指す。

(柏木均之)

 通勤着とセレモニー服が支持されていた時期もあったが、コロナ禍でオフィスウェアへのニーズが変化し、苦戦していた。リブランディングに着手し、ここ数年は不採算店舗の撤退やユニクロの大型店内への出店を進めてきた。

 10月24日オープンの梅田店を含めると店舗数は44。ユニクロの旗艦店や大型店内に出した店舗が12あり、ユニクロの高い集客力を生かし、ブランド認知向上と売り上げ拡大を図ってきた。

 ユニクロが出店する施設内にも29店あり、年2回の「感謝祭」など販促キャンペーンを一緒に行うなど相互送客にも力を入れた。人材面でも19年から経営幹部候補生の採用に力を入れてきた。24年8月期に黒字化、25年8月期は既存店売上高が伸び、大幅増収増益を果たした。

 今後はユニクロやジーユーに次ぐグループブランドの柱へと事業規模を拡大する。海外出店も見据え、商品力強化にも着手した。25年5月に「ハルノブムラタ」のデザイナー村田晴信氏との協業コレクションを発売、好反応を得ると、今秋冬から同氏をウィメンズのクリエイティブディレクターに起用した。

村田氏の感性とファストリの流通網を活用することで価格と価値のバランスを実現

 ウィメンズコレクションでファッション性に重点を置いた商品の構成比はこれまでの30~35%から今秋冬は50%に高めた。コアアイテムのパンツも主力の細身のほかワイドシルエットのバリエーションを増やした。

 ウール混のダブルフェイスのコートや東レの高機能中わたを使ったパデッドのブルゾンやコートなどアウターは2万円台半ばから4万円以下だが、村田氏は「手に取ってもらえばこのレベルの服がこの価格で買えることに驚いてもらえる」と手応えを語る。

 ウィメンズの客層拡大に加え、ユニクロ内の出店を増やしたことで認知が高まったメンズウェアにも力を入れ、国内での売り上げ規模を伸ばす考えだ。



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