【ニューヨーク=杉本佳子通信員】ゲス(ロサンゼルス)が2月16日、ブランド管理会社WHPグローバルと共同でラグ&ボーンを買収したと発表した。ゲスはラグ&ボーンの全ての運用資産と想定される営業負債を買い取り、ゲスとWHPグローバルがラグ&ボーンの知的財産を50%ずつ所有する。ゲスは買収金額として5650万ドルを支払うが、24年度のラグ&ボーンの業績次第でさらに最高1280万ドルを支払う可能性がある。ライセンス契約では、ゲスは世界中でラグ&ボーンの知的財産を使ってライセンス商品を独占的に生産する権利を持つ。取引は25年度第1四半期に完了する見込みだ。
ラグ&ボーンは2002年にニューヨークで出発したメンズとウィメンズのブランド。元々はデニムでスタートし、以前はニューヨークファッションウィークで毎シーズンショーをしていた。現在、アメリカに34店、イギリスに2店あるほか、高級デパートやブティックに卸売りし、ECでも販売している。ゲスによると、23年のラグ&ボーンの年商は約2億5000万ドルで調整後の金利・税金・償却前利益は1800万ドル。
ゲスを今まで引っ張ってきた唯一の共同創業者で最高クリエイティブ責任者のポール・マルシアーノ氏は、「この買収は43年にわたるゲスの歴史の中で初めてのもので、アンドリュー・ローゼン(ラグ&ボーンの会長)及び才能あるチームと共に、ブランドの商品と市場を国外に拡大していくことを楽しみにしている」とコメントした。